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2023 年度 実績報告書

身体的痛みの理解と表現の生涯発達過程

研究課題

研究課題/領域番号 18K03031
研究機関新潟大学

研究代表者

中島 伸子  新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (40293188)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード痛みの表現 / 病気理解 / 魔術的思考 / 科学的思考
研究実績の概要

本年度は「痛みのコントロールの発達」について,幼児13名を対象とした調査を実施し、既に収集した中学校3年生48名,小学校4年生35名,小学校6年生28名のデータと合わせて分析することで発達的変化を検討した。半分の対象者には,痛みを示す人物が登場する物語を2種類,残り半分の対象者には痛み以外の症状を示す人物が登場する物語を2種類示した。各人物が示す痛みあるいはその他の症状に対する,7つの緩和法(服薬,塗薬,行動,他者,認知,おまじない、コントロール)の効果について評定(小学生以上は7件法,幼児は5件法)することを求めた。なお,各緩和法について,2物語中,少なくとも1物語で効果があるとの評定(7件法では5点以上,5件法では4点以上)をした対象者の人数を算出し分析に用いた。その結果、以下の諸点が示された。①コントロール項目(青服の着用)について,幼児を含めどの学年でも,ほとんどの者が痛みおよびその他の症状に対して効果がないと考ることが示された。②服薬および塗薬について,幼児を含めどの学年でも,ほとんどの者が痛みおよびその他の症状に対して効果があると考えることが示された。③3つの心理的緩和法(行動,他者,認知)およびおまじないについて,全体的な傾向としてその他の症状より痛みに対して,より効果的だと考える場合が多いことが示された。④③について,どの項目においても大学生でその傾向が最も強くみられた。⑤痛みに対するおまじないの緩和効果があると考える者の割合は幼児と大学生で他の年齢群より多く,小4〜中3では相違がほとんどなかった。⑥痛みに対する心理的緩和法(行動,他者,認知)の効果があると考える者の割合は,どの項目でも大学生も最も多く小4が最も少なかった。以上から,非科学的および心理的緩和法が痛みに対して効果的だと考える傾向は,特に大学生において強く見られることが示唆される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 中学生のグリットと学級及び保護者の目標構造に対する捉え方の関連性2024

    • 著者名/発表者名
      桑原, 佑衣,中島, 伸子
    • 雑誌名

      新潟大学教育学部研究紀要 人文・社会科学編

      巻: 16 ページ: 97-106

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 痛み表現の発達 ―1歳から9歳の子どもの母親を対象としたWEB質問紙調査からー2024

    • 著者名/発表者名
      中島伸子
    • 学会等名
      乳幼児医学・心理学会
  • [図書] 乳幼児は世界をどう理解しているのか2023

    • 著者名/発表者名
      外山紀子,中島伸子
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      ポプラ社
    • ISBN
      9784591179741

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公開日: 2024-12-25  

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