研究課題/領域番号 |
18K03032
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
石津 憲一郎 富山大学, 大学院教職実践開発研究科, 准教授 (40530142)
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研究分担者 |
下田 芳幸 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
大月 友 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20508353)
佐藤 修哉 東京成徳大学, 応用心理学部, 特別研究員 (20793243)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 体験の回避 / フュージョン / 思春期 / 青年期 |
研究実績の概要 |
平成30年度は体験の回避とフュージョンの傾向を含んだアクセプタンスに関する日本語尺度の作成を試みた。アクセプタンスについての尺度には、Avoidance and Fusion Questionnaire for youth (AFQ-Y) (Greco et al., 2008)と、その日本語版があり、それぞれ高い信頼性と妥当性を有しているが、日本語版の表現はバックトランスレーションのプロセスを踏まえるとやや不自然で固い日本語になってしまい,子供には理解が難しいという指摘を受けている。そこで、本申請者とその分担研究者らが行ってきた先行研究を踏まえ、アクセプタンスと体験回避についての尺度であるFusion & Experiential Avoidance Rating Scale(FEARS)の作成を試みる。 平成30年度では,中学生,高校生,大学生の合計約2000名程度に質問紙を配布し,構成した20項目から成る尺度の信頼性と妥当性を検討した。分析は現在も進行中であるが,現在のところ得られた結果からは,想定された2因子から構成される尺度が構成された。信頼性については,内的一貫性及び再検査信頼性から確認される予定となっており,妥当性については,思考抑制尺度,不安尺度,抑うつ尺度との関連を算出することで確認する。 FEARSの下位尺度として想定されている「感情回避」と「フュージョン」については,ある程度の関連性が想定されるため,一般的な斜交回転モデルだけではなく,それらをまとめる一般因子gを想定した高次因子モデルの妥当性も検証する予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ,平成30年度に予定していた調査を終えることができ,尺度の開発は順調に進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度については,体験の回避と学校適応との相互影響性について,1年間の縦断モデルの検討を行う予定である。これらの結果を踏まえ,エビデンスにもどついた教育支援プログラムの構成を視野に入れていく予定となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究成果の発表としての旅費及び,調査研究のための人件費,また研究を行うための備品を購入する予定となっている。特に,エビデンスを実践研究に統合するための打ち合わせを数回行う予定となっている。
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