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2022 年度 実績報告書

児童から高齢者を対象とした善悪判断の心理メカニズムの解明とその支援

研究課題

研究課題/領域番号 18K03034
研究機関青山学院大学

研究代表者

米田 英嗣  青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (50711595)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード道徳教育 / 善悪判断 / 共感 / 視点 / モラル
研究実績の概要

最終年度は、大学生を対象とした道徳教育方法についての検討を行った。道徳教育の効果を検証するために、大学で半年の間、週一回の演習形式の授業を行った。受講生は11名であり、全員が2回発表を行った。1回目は、既存の道徳教育の発表、2回目は新たな道徳教育法に基づく模擬授業であった。全15回の授業のうち、4回は、文部科学省「道徳教育アーカイブ」など従来型の道徳教育を学習した。そこで、物語や映像教材を通じて、相互理解、寛容、公正、公平、社会正義などを主題とした従来型の道徳教育を確認した。その後、5回にわたり、受講生によって、道徳教育の授業紹介が行われた。このように受講生の間で従来型の道徳教育において共通理解を得られた上で、プロジェクションに基づく新たな道徳教育を目指した授業発表が、5回にわたって行われた。
今後の道徳教育においては、道徳的判断能力を育成することも重要になる。たとえば、ある人の立場から見たら善であるが、別の人の立場から見たら悪であるという葛藤状況を含んだ様々な状況における判断を身につけることが考えられる。道徳的葛藤状況の問題はモラルジレンマとして検討されてきているが(荒木, 2017)、同じ行為が文脈に応じて善あるいは悪になる場合や、同じ人物が他者の視点によって善人あるいは悪人になるという状況は、現実場面では少なくないが、実証的な検討はまだあまり行われていない(Komeda et al., 2016)。今後は、多様な人物の視点から描かれた物語やシナリオに没入体験を促し、他者の視点を自己にプロジェクションをすることで道徳的判断力を育成することが考えられる。さらに、多様な文化や社会において、機に応じた道徳的行為を選択できる人物を育成する教育が求められると考える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 物語と芸術の認知科学:これまでとこれから2023

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣・布山美慕
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 30 ページ: 74-80

    • DOI

      10.11225/cs.2022.077

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Empathy and social camouflaging in individuals with autism spectrum disorders2022

    • 著者名/発表者名
      Hidetsugu Komeda
    • 学会等名
      2022年度生理研研究会 「コミュニケーション研究の展望:双方向コミュニケーションを駆動する神経・行動因子」
  • [学会発表] ラウンドテーブル話題提供 「学齢期から青年期への「移行期」におけるASD者の心理的課題 -認知機能の発達と精神的健康および適応行動-」2022

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会
  • [学会発表] 知的発達に遅れのない学齢期の自閉スペクトラム症児における適応行動-その4:早期支援を受けている小学生の日常生活スキルと社会性・コミュニケーションとの関連-2022

    • 著者名/発表者名
      武部正明・日戸由刈・藤野 博・米田英嗣
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会
  • [学会発表] ASD児の文章読解における視点取得について 授与動詞を用いた検討2022

    • 著者名/発表者名
      間野陽子・松井智子・東條吉邦・計野 浩一郎
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会

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公開日: 2023-12-25  

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