• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

アメリカ合衆国、中国、日本における国境を越える家族の世代間支援とウエルネス

研究課題

研究課題/領域番号 18K03035
研究機関大阪大学

研究代表者

星野 和実  大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (80310613)

研究分担者 大橋 一友  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30203897)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード世代間支援 / ウエルネス / 国際移動 / アメリカ合衆国 / 中国(台湾) / 日本
研究実績の概要

家族の世代間支援(子―成人―老親)は生涯発達に伴って推移し、子どもと成人期の親の関係では子の成長につれ、成人の親からの身体的サポート、情報的サポート、経済的サポート、心理的サポートが減少し、子から成人の親に対する各サポートは増加する。また、成人と老親の関係では老親の加齢により、成人から老親への各サポートが増加する。さらに、家族が他国へ移住す場合、文化、言語、教育制度、保健医療政策等の相違に直面するため、 家族の世代間支援が変容する。
そこで、本研究においては、アメリカ合衆国と中国に移住した日本人と、日本で生活する成人に対して、半構造化面接を実施し、面接データの質的分析から、子-成人-老親関係の世代間支援とウエルネスの関連を解明する。また、海外に移住した日本人と日本在住 の成人を比較し、国際移動と世代間支援やウエルネスとの相互作用を検討する。
平成30年度は、アメリカ合衆国へ移住した日本人、日系アメリカ人に対して、半構造化面接を実施した。サンフランシスコ・ベイ・エリアの日本人・日系人の支援センターやcommunity or church-based organizationsの責任者を訪問し、面接対象者の募集について協力を依頼した。その結果、面接対象者が紹介され、バークレー市、エル・セリート市、サンノゼ市等で、個別に半構造化面接を実施した。また、面接データの内容分析から家族の世代間支援(子-成人-老親)と ウエルネスの関連や、国際移動と世代間支援、ウエルネスの相互作用を検討し、論文にまとめた。
さらに、カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部から、Winston Tseng教授 を招き、日本で「アメリカ合衆国における多様な家族への世代間支援の介入と教育プログラム」と題する国際セミナーを主催した。これらの研究成果は、大阪大学大学院医学系研究科のホームページで公開している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成31年度は、アメリカ合衆国に移住した日本人、日系人を対象として、面接調査を実施する予定であったが、サンフランシスコ・ベイ・エリアの日本人、日系人支援センターやcommunity or church-based organizationsの責任者と研究会議をもったところ、複数の国際交流機関・団体から、研究協力を得ることができた。その結果、日系人支援センターやcommunity or church-based organizationsから、面接対象者が紹介されたため、バークレー市、エル・セリート市、サンノゼ市等で、面接対象者の自宅を訪問して、個別に半構造化面接を行った。さらに、予定していた面接対象者数に達するまで、サンフランシスコ・ベイ・エリアの日本人、日系人支援センターやcommunity or church-based organizationsに、いっそうの研究協力を依頼し、面接対象者の紹介を促進することができた。
平成32年度もアメリカ合衆国での面接調査を継続する予定であるが、研究代表者が2010年から2013年まで、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員やResidential Faculty Fellowを拝命した際に、サンフランシスコ・ベイ・エリアで行った面接調査で開拓した研究フィールドが基盤となり、さらに複数の日本人、日系人支援センターやcommunity or church-based organizationsから、研究協力を得ることができた。
一方で、カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部からWinston Tseng教授を招いて主催した、「アメリカ合衆国における多様な家族への世代間支援の介入と教育プログラム」と題する国際セミナーでは、多数の参加者が活発に議論し、多様な家族の世代間支援とウエルネスの日米比較について有益な研究成果を得た。

今後の研究の推進方策

平成31年度は、まず第一に、アメリカ合衆国でサンフランシスコ・ベイ・エリアの面接調査を継続する。予定した面接対象者数に達するまで、日本人、日系人支援センターや、community or church-based organizationsに、面接対象者の紹介をさらに依頼し、バークレー市、エル・セリート市、サンノゼ市等で面接調査を実施する。
第二に、中国(台湾)へ移住した日本人や日系人に対して、面接調査を開始する。中国(台湾)の日本人、日系人支援センター及び、community or church-based organizationsの責任者と研究会議をもち、面接対象者の紹介について協力を依頼する。中国(台湾)の日本人、日系人支援センターやcommunity or church-based organizationsから、面接対象者が紹介され次第、中国(台湾)に移住した日本人、日系人に対して、面接調査を開始する予定である。
さらに、平成31年度の研究成果公開のひとつとして、国際シンポジウムを開催する。カリフォルニア大学バークレー校から、日本へWinston Tseng教授 を招き、アメリカ合衆国と日本の国際介護とウエルネスと題する国際シンポジウムを主催する。国際シンポジウムを通して、アメリカ合衆国での多様な家族の世代間支援とウエルネスの関連について解明し、日本との国際比較を行う。また、中国(台湾)に移住した日本人、日系人の世代間支援とウエルネスの予想される結果についても議論し、最終的な国際比較について準備を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度は、アメリカ合衆国での面接調査を実施する予定で、サンフランシスコ・ベイ・エリアの日本人、日系人支援センターやcommunity-based organizationsの責任者と研究会議をもち、面接対象者の紹介を依頼した。協力が得られた日本人、日系人支援センターやcommunity-based organizationsからは、順次、面接対象者が紹介されてきている。
しかし、予定していた面接対象者数に達するまでは十分でなかったことから、平成31年度もアメリカ合衆国での面接調査を継続することとなった。そのため、平成31年度は中国(台湾)での面接調査の旅費、宿泊費は計上してあったが、アメリカ調査での継続分は計上していなかったため、平成30年度の経費を残して、平成31年度のアメリカ合衆国での面接調査を行う費用とする必要があった。
そこで、次年度使用額が生じたものであり、本研究は国際共同研究で、海外での研究フィールドを開拓しながら行っており、研究プロジェクトの進捗としては、極めて順調であると言える。また、科学研究費補助金の使用も、公正に行われていると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部
  • [雑誌論文] Multidisciplinary and Multicultural Support Model for Immigrants on Legal Issues2018

    • 著者名/発表者名
      Kazumi Hoshino
    • 雑誌名

      Compilation and Documentation on Refugees and Migrants Quarterly

      巻: 10 ページ: 6-21

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] Kazumi Hoshino

    • URL

      http://sahswww.med.osaka-u.ac.jp/~comger/kamide/member/guest/hoshino_en.html

  • [学会・シンポジウム開催] 国際セミナー:アメリカ合衆国、中国、日本における国境を越える家族の世代間支援とウエルネス2018

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi