研究実績の概要 |
『世代継承性研究の展望―アイデンティティから世代継承性へ―』(岡本祐子他編著,2018, ナカニシヤ出版,総503ページ)を刊行した。世代継承性(generativiry)に関する心理学的研究は,その研究成果全体を展望し論評したまとまった書物が見られない。本研究の初年度である2018年度は,世代継承性に関する研究の土台を作るべく,1950年以降今日までErikson, E.H.のgenerativiryの概念・理論に基づいて行われた諸外国と国内のすべての研究論文を,PsychoINFOにて検索・入手し,領域別に展望・論評した。また世代継承性研究の課題と展望について論じた。この研究の成果をまとめ,『世代継承性研究の展望』として刊行した。本書は,これからの世代継承性研究の基盤,水先案内となる著作である。 主要な内容は,以下のとおりである。 第1部 世代継承性をとらえるヴィジョンと射程(1. 21世紀のアイデンティティと世代継承性―その視点と課題―, 2.Eriksonの「ジェネラティヴィティ」概念の基盤,3.意味生成の「ジェネラティヴィティ」, 4.世代継承性が意味するものとそれを可能にするもの, 5.Eriksonの人生と生成継承性, 6.ライフサイクルの「はめば歯車」とトラウマの世代継承) 第2部 世代継承性研究の動向と展望(1. Eriksonの世代継承性の理論・概念の検証, 2.高齢期・定年退職期の世代継承性, 3.成人期の世代継承性, 3.青年期の世代継承性, 4.キャリアと世代継承性, 5.世代継承性に関する臨床的研究, 6.世代継承性の民族的研究, 7.セクシュアリティ,ジェンダーと世代継承性, 8.わが国における世代継承性研究の動向と展望)
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