研究課題/領域番号 |
18K03045
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
永久 ひさ子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (90297052)
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研究分担者 |
伊藤 裕子 文京学院大学, 人間学部, 非常勤講師 (50296357) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 未婚者 / 結婚希望時期 / 結婚イメージ / 結婚相手の条件 / 個人目標 / 将来の見通し / アイデンティティ発達 / 結婚のリスク |
研究実績の概要 |
結婚に適当な相手と出会わない理由を検討するため、未婚者200名を対象にweb調査を行い、アイデンティティ発達が、結婚は幸せと大変さのどちらが多いかという結婚イメージを媒介に結婚相手の条件を左右するという仮説モデルについての共分散構造分析の結果から、アイデンティティの確立度が結婚イメージを積極的にし、その結婚イメージが、行動制約リスク回避条件と経済的リスク回避条件を低下させる、という最終モデルが支持された。 この結果から、アイデンティティの確立が未熟な段階にある場合、試行錯誤のための時間や経済、心身のエネルギー資源を自分に使う必要性が大きいため、それが難しくなる結婚は、幸せより大変さが勝ると捉えられ、その大変さのリスクを回避できる条件の重要性が高くなることが示唆された(永久,2021;2022a)。 今年度までに行った未婚女性へのインタビューから、結婚希望時期が結婚イメージおよび個人目標とどのように関連するかの分析を行った。その結果、結婚希望時期には、結婚や子育てのイメージとともに、仕事やライフワークなど個人目標の達成状況や将来の継続性の見通しが関わることが示唆された。女性の社会進出や専門職化により、個人目標の達成に時間を要するようになったことや、転職が一般化して成人期にも個人目標の模索が可能になったことなどが、結婚希望時期の上昇につながることが示唆された(永久, 2022b)。これらは、日本心理学会第85回大会、 日本発達心理学会第33回大会. 文京学院大学人間学部研究紀要第23巻で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍において本務校の業務が増え、研究に充てる時間が不足したことと、やはりコロナ禍で面接調査が予定通りに進まなかったことが主な要因である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の終わりにweb調査を実施し、現在はその分析を行なっており、遅れてはいるものの少しずつ研究は進んでいる。その結果を元に、最後のweb調査を実施して、仮説を確認する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で本務の業務が増え、また、協力者が集められなかったため。
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