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2020 年度 実施状況報告書

子どもの負の側面を受容する力を高める親支援プログラムの開発:虐待予防の効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 18K03073
研究機関東京福祉大学

研究代表者

石 暁玲  東京福祉大学, 保育児童学部, 准教授 (30529483)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード児童虐待予防 / こどものネガティブな感情表出 / 介入研究 / 親支援プログラム / 養育力
研究実績の概要

本年度は、次年度の親支援プログラムの実施に向け、これまでに行ってきた「子どものネガティブな感情表出を受け止める親の養育力」の促進・阻害要因に関する量的・質的研究の成果を総括し、介入研究のプログラム編成につなげることにした。具体的には、文献研究、子育て支援機関の支援者および利用者へのインタビュー調査、認知行動療法研修の受講を行い、さらに介入案と効果測定方法を見直し、検討した。子育て支援機関者のインタビュー調査から、子育てでつまずく親の中には「しなければならない」という強迫的観念があることが指摘され、行政からの支援だけでなく、NPOを含め民間の力による支援との組み合わせで多層的に親を支える必要があることがわかった。調査より、子育て支援の民間機関の利用者には、相談する相手、困った時に頼れるところがなく孤立してしまった場合、煮詰まってしまい、子どもに当たってしまうという悪循環がみられる。さらに、子どもを預かってくれる民間の支援施設を利用し、自分の体調を労わる時間を確保することで、回復するプロセスが確認された。これらの結果を今後の介入研究に生かす予定である。併せて、乳幼児を持つ母親を対象に行った昨年度のインタビュー調査の事例を用いて、これまでの質問紙調査の結果と合わせて検討したものを、『「子どものネガティブな感情表出を受け止める養育力」につながる要因の量的・質的分析』というタイトルで、日本発達心理学会第32回大会においてオンラインで口頭発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルス感染症の影響で実施予定だった介入研究が1年間延長となったが、その間、これまでの研究成果の分析をさらに進めることができ、当初の予定にはなかった子育て支援機関の関係者にインタビュー調査を行うなど、さらに研究を前進させることができた。

今後の研究の推進方策

今後は乳幼児を持つ親を募集し、「子どものネガティブな感情表出を受け止める親の養育力」を高める介入支援研究を実施する。具体的には、続けて子育て支援現場の知見を収集し、必要に応じて「子どものネガティブな感情表出を受け止める親の養育力」尺度の標準化やコロナ禍による育児への影響を検討するための質問紙調査、またすでに日本で広がりが見せている既存の親支援プログラムの研修を受けることを視野に入れ、募集方法、介入研究に用いる効果測定の方法、介入案の確立をしていく。募集方法は、関連施設への依頼だけで解決できない場合は、ホームページで募集することも想定している。またできるだけ早い段階で介入研究を実施し、これまでの成果をまとめて発信する。なお対面での介入研究が実施困難となった場合は、ZOOMに切り替えて実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度で実施する介入研究等は、コロナ感染の影響で出来なくなった。一年延長することで、次年度で使用するのが望ましいと考えを改めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「子どものネガティブな感情表出を受け止める養育力」 につながる要因の量的・質的分析2021

    • 著者名/発表者名
      石 暁玲・松見 淳子・荘厳 舜哉
    • 学会等名
      日本発達心理学会第32回大会

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公開日: 2021-12-27  

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