研究課題/領域番号 |
18K03074
|
研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
上村 佳世子 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
|
研究分担者 |
吉澤 千夏 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10352593)
加須屋 裕子 学校法人文京学院 文京学院大学, 人間学部, 教授 (60296291)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 食事行動 / 幼児 / 食スクリプト / 保育施設 / 家庭 |
研究実績の概要 |
幼児の主要な食事場面は家庭と園(幼稚園・保育園)であり、これらは子どもの食事行為や食スクリプトの学習・発達にとって機能の異なる場面と言える。幼児の食事行為の発達の認識とおとなの食事時の働きかけについて、家庭と園の違いを明らかにするために、3-5歳の子どもをもつ母親250名と幼稚園もしくは保育園でクラス担任をしている保育者150名を対象にweb調査をおこなった。調査項目は。食事時に観察される子どもの行動、食事時に気になる子どもの行動、子どもの食事行動に関する発達期待で、同様の項目を使用してどの程度当てはまるかについて段階評定を依頼した。 その結果、気になる子どもの行動および子どもの発達期待については母親と保育者間で大きな差は示されなかった。子どもの行動・態度へのおとなの対応については、家庭では食事のマナー、食の好き嫌い、調理内容について、園では仲間との関係づくり、集団で展開する食スクリプトの獲得について焦点化されていた。ここから家庭と園の食事場面における、おとなの環境設定やその背景にある発達観点があり、幼児が2場面を行き来しながら食事に関する共通の認識を獲得するとともに、家庭内と外の集団場面で異なる行動スタイルや認識を形成できるものと考えられる。以上のことから、子どもが家庭や保育施設など複数の場面間を行き来すること、各場面に子どもの食事行為や食に関する認識形成にかかわるおとなが、子どもの年齢に合わせた環境づくりと支援をすることが子どもの発達を促進することが示唆された。
|