| 研究課題/領域番号 |
18K03090
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| 研究機関 | お茶の水女子大学 |
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研究代表者 |
山宮 裕子 お茶の水女子大学, 人間発達教育科学研究所, 研究協力員 (60575504)
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| 研究分担者 |
大森 美香 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50312806)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | やせ理想の内面化 / やせ願望 / 他人の容姿との比較 / 身体不満足感 / 妊婦 / 減量行動 / 身体的変化 |
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| 研究実績の概要 |
令和元年に引き続き、令和2年度も主にデータ収集が行われた。本研究の最終目的は、妊娠前のやせ理想の内面化ややせ願望、他人の容姿との比較傾向が、妊娠中に起こる様々な身体的変化に対し妊婦が抱く嫌悪感とどのように関連し、また妊娠中の身体不満足感や減量行動にどのような影響を与えるかの検証である。データ収集は引き続きインターネット調査会社により行われた。妊娠初期（妊娠発覚～3ヶ月）の女性からのデータ収集は前年度終了しており、本年度は妊娠中期（4～6ヶ月）と妊娠後期（7ヶ月～出産）の女性からのデータ収集が行われた。妊娠中期と妊娠後期の女性には、上記の妊娠中に起こる様々な身体的変化に対し抱く嫌悪感を測定する尺度に加え、妊娠中に感じる身体不満足感と減量行動を測定する尺度のみが使用された。最終目標であった200人分のデータを収集することができた。
また補足調査として、結婚や妊娠を経験したことのない若い女性のやせ理想の内面化ややせ願望、他人の容姿との比較傾向が、妊娠中に起こるとされる身体的変化に対し抱く嫌悪感とどのように関連しているかの検証を行い、その検証結果を妊娠中の女性のものと比較することとした。そこで本年度、若年女性を対象とした別サンプルからのデータ収集を行った。データ収集は同じインターネット調査会社に委託し行った。ここでは妊娠初期の女性に対して使用された尺度と同じ尺度が使用され、目標であった200人分のデータを収集することができた。
その後妊娠中の女性から収集したデータと、結婚や妊娠を経験していない別サンプルの若年女性から収集したデータの予備解析を行った。予備解析では、それぞれのサンプルにおいて、やせ理想の内面化ややせ願望、他人の容姿との比較傾向が、妊娠中に起こる身体的に対し抱く嫌悪感との相関関係の分析と回帰分析を行った。ここでは妊娠初期・中期・後期と、ポイント別に横断的な解析を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度の目標は、上記にある妊娠中の女性からと別サンプルからのデータ解析を終え、成果発表をすることであった。目標は半分以上達成したと言えるが、やや遅れていると言えるであろう。具体的には、妊娠中の女性からのデータと別サンプルからのデータはすでに収集済みであり、これらのサンプルから収集した最初の予備解析は終えてある。また、これらの分析結果は、本年度の国際学会の年次集会で発表される予定であったため、準備を進めていた。すでに採択されていたが、学会自体がCOVID-19の世界的な感染の影響を受けキャンセルとなり、ヴァーチャル集会でのビデオ発表となった。しかし、本年度ビデオ発表をした解析は、本研究の最終目的の予備解析であり、来年度の年次集会で本解析の発表がされるよう現在準備を進めている。また、別サンプルからのデータの解析結果も、本年度の国際学会の年次集会で発表できるよう、すでに申し込みを行った。現在は採択結果を待っているところである。ちなみに、COVID-19の状況次第ではこの年次集会もヴァーチャルで行われる可能性がある。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度の令和3年は、令和2年度に引き続き妊娠中の女性からのデータを、研究代表者と研究分担者により解析をし、その研究結果の発表、そして論文執筆を行う。縦断的に収集したデータを使用し、統計解析により仮説モデルの検証を行う。解析はSPSS/AMOSを使用し、SEMによる潜在曲線モデリングにより妊娠前の心理的影響要因と、妊娠中の身体不満足感や減量行動の変化パターンとの関連性を解析する。そして解析結果に基づき、英文での論文執筆を行う。さらに、補足調査として行っている、結婚や妊娠を経験したことのない若年女性が妊娠中に起こるであろう身体変化に対して持つ感情や思考の横断的調査の解析と論文執筆も行う予定である。これらも全て研究代表者と研究分担者により行われる。
また、今後の研究の解析結果は令和3年度での学会発表もしくは学術雑誌での発表になると想定される。予定している学術雑誌はBody ImageかFertility & Sterilityである。こちらも全て研究代表者と研究分担者により行われる。学会発表に関しては、国内外ともに今後行われる学会スケジュールが未定のため、検討中である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
妊娠初期の女性からのデータ収集は順調に進んだが、妊娠が中期・後期と進むとデータ収集のペースが緩やかになっていった。また、令和元年度の後期から令和2年度はCOVID-19の世界的流行があったこともあり、データ収集がさらに遅れることとなった。同理由により、結婚や妊娠を経験したことのない若年女性からのデータ収集も今年度に食い込む形となった。また、当初予定していた国際学会での成果発表もできなくなり、その際使用する予定をしていた予算が今年度は必要なくなった。具体的には、縦断的解析の際指導を仰ぐ統計学者に支払う謝礼、英文の論文作成の際にかかる英訳の費用、そして国際学会に参加するための旅費、発表時に掲示・配布する資料の作成にかかる費用などである。令和3年度の国際・国内学会での発表を期待し、これらの費用は全て令和3年度の経費となる。
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