研究課題/領域番号 |
18K03092
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河野 荘子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00313924)
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研究分担者 |
岡本 英生 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30508669)
清河 幸子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00422387)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非行少年 / 認知プログラム / 共通点発見課題 / 非行からの立ち直り |
研究実績の概要 |
認知行動療法をベースにした処遇プログラムの導入によっても、再非行が著しく減少したわけではない。応募者は、その原因を、プログラムを受ける側(非行少年)の準備が整っていないためと考え、処遇プログラム実施の前に、何らかの認知的アプローチをおこない、その後の処遇プログラムがより効果的に作用するための素地を作ることが必要不可欠と考える。本研究では、再非行防止を目的とした認知課題を作成し、その効果検証をおこなう。 初年度は、認知課題作成の第一歩として、刺激を選定した上で、提示順序の検討を丁寧におこなった。認知課題は、共通点発見課題(山川・清河・猪原,2017)をベースに作成するが、共通点発見課題そのものは、臨床群に対する認知プログラム用に開発されたものではないため、非行少年の実態に合わせた刺激内容と提示順序を決める必要がある。その結果、より平易な課題で構成されるstep1から、刺激の抽象度が高くなるstep3までの、3段階からなる課題案が作成された。 また、認知課題の効果を測定するために、抑うつに耐える力尺度を実施する予定だが、この尺度はいくつかの問題点も持っている。そのため、尺度の妥当性を高めるための質問項目の再検討も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内のさまざまな業務に忙殺されていて、十分な研究の時間が取れない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、まず、質問紙の妥当性を高め、内容をブラッシュアップするため、早急に量的データの収集を開始する。 認知課題の提示順序はほぼ確定しているため、データ収集を協力してくれる施設を探す。施設にとっても、この研究に参加することが利益になるように、課題の提示は、共感性の心理教育プログラムの実施とセットにしておこなう。できるだけ早めに継時的データの収集に取りかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内の業務に忙殺されており、研究のための時間思うように確保することができなかった。 次年度は、まず、質問紙の妥当性を高め、内容をブラッシュアップするための量的データの収集と、認知課題の効果を測定する継時的データを取り始める予定であり、研究協力者謝金など、今年度以上に発生する予定である。
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