研究課題/領域番号 |
18K03103
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
堀尾 良弘 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40326129)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 非行少年 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、非行少年の家庭・学校・地域等の生活環境における被害体験、特に「いじめ」の被害経験に着目し、非行少年の心理特性と非行性の関連について、被害体験が心理特性や非行性にどのように関連しているのか明らかにすることである。さらに、被害が発生した際に、周囲の援助者の役割についても注目し、非行少年の更生のための手掛かりや回復への手立てを探る。本研究で重視しているのは、非行少年の被害体験と心理特性、非行性との関連を明らかにするために、仮説モデルを実証的に検証し、妥当性、信頼性および適合度の高いモデル図へと改良していき、完成度の高いモデルを構築することである。また、被害体験からの回復における援助者の役割について検討し、更生改善の有効な処遇を検討する。更生のために周囲の援助者はどのような役割を果たせばよいのか、更生改善への処遇には何が必要なのかを明らかにすることに研究の全体的意義がある。 本年度(2020年度)は、研究期間の3年目にあたり、当初の研究計画では比較対象群として一般の青少年(14歳から19歳)の調査研究を行う予定であった。しかしながら、コロナ禍のもとで、とりわけ年度前半は、研究協力者との打ち合わせが十分できなかっただけではなく、学校休校等の影響から調査対象者からデータを収集することが十分できなかった。年度後半になって、リモートでの研究打ち合わせが徐々に可能になったものの、研究協力者自身が多忙になり、研究協力に対応する余裕がなくなって、最終的に本年度の研究調査の実施は中止せざるを得なかった。また、出席予定だった国際学会も中止・延期が相次いだ。 そこで、これまで集積したデータの再分析を試みた。まだ、収集データが不十分であるため、データ分析は完了していないが、今後の追加データが得られた場合の分析シミュレーションを実施し、来年度以降のデータ収集、分析の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記の「5.研究実績の概要」にも記載したとおり、コロナ禍のもとで、研究協力者との打ち合わせが十分できなかっただけではなく、学校休校等の影響から調査対象者(中高生、大学生等の一般青年)からの協力を得る段取りを付けることが十分できなかった。本年度の後半になって、研究協力者とはリモートでの研究打ち合わせが徐々に可能になったものの、研究協力者自身が多忙になり、研究協力に対応する余裕がなくなり、最終的に本年度の研究調査の実施は中止せざるを得なかった。これらの状況が最も大きな理由である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度(2020度)の調査研究中止に伴い、研究計画の修正が求められる。来年度に向けて、可能な範囲で調査研究の立て直しを図る。もし、新型コロナウィルス感染拡大状況から、来年度も追加データを収集できない場合は、これまでの集積データに基づいて、分析方法の再検討を行い、新たな知見を見出せるよう研究を推進する。 来年度(2021年度)には、昨年度に開催されなかった国際学会(チェコ、プラハ)が、2021年度に延期開催となったため、リモート参加での研究発表をすでに申し込んでいる。ここで、これまで蓄積した研究成果の発表につなげたい。 ただし、来年度は当初の研究計画では最終年度となるが、現在の研究の進捗状況から鑑み、研究期間延長申請の検討をする必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のもとで、研究協力者との打ち合わせが十分できなかっただけではなく、学校休校等の影響から調査対象者(中高生、大学生等の一般青年)からの協力を得る段取りを付けることが十分できず、研究協力者自身の多忙もあって、本年度(2020年度)の研究調査の実施は中止せざるを得なかった。したがって、調査研究実施に伴う研究費の支出がほとんどなかった(リモート会議、研究打ち合わせ用の資機材の使用はあった)。調査研究用の研究費は次年度使用額に回す計画となった。 さらに、2020年度に予定していた国際学会(チェコ、プラハ)が延期(翌年度開催)となって、1週間から10日間の海外渡航費及び宿泊費等の滞在費並びに学会参加費の支出も次年度使用予定としていたが、最終的に2021年度の国際学会はリモート参加となったため、それに替わり、国内での複数の学会出張費に切り替える予定である。
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