研究課題
基盤研究(C)
非行少年が厳しい家庭環境・生育環境に置かれていることは、従来から指摘されてきたとおりである。本研究では、被虐待経験を含めて、いじめ被害、犯罪被害などの被害経験を受けている非行少年に注目した。被害経験を受けた際に、非行少年は一般青年に比して周囲の人に援助を求めない傾向が明らかとなった。しかしながら、非行少年の更生のためには周囲の援助者が必要であり、援助者の果たす役割は大きいと言えよう。そこで、援助者の果たす役割と援助時の留意点について明らかにした。
犯罪心理学、非行臨床心理学
本研究は、非行少年の加害性のみならず、被害経験を多く持つ非行少年の被害性に注目したことに学術的意義がある。しかも、非行少年が被害を経験した際や立ち直り・更生に向かう際に重要な役割を果たす周囲の援助者が、どのように非行少年に手を差し伸べればよいのか、援助者の役割について明らかにした。このように、非行少年の更生や援助のあり方について、学術的な知見を明らかにしたことは、同時に援助者にとってその役割や援助の留意点を明示することになり、社会的な意義も大きい。