研究成果の概要 |
McAdams(2008)のインタビュー手法を用いて、家族成員が非行や犯罪に走ることが、家族にとってどのような影響を及ぼすかを質的に明らかにすることを試みた。その結果、家族成員が非行や犯罪に走る経験に対しては、Drotar et al.(1975)が主張する障害受容の段階モデルと類似の現象が生じること、さらに、その家族成員の犯罪や非行が収まった後も、折りにふれ負の感情がよぎるとするOlshansky, S.(1962)の慢性的悲哀説が主張する現象も生じうることが確認された。また、これらの現象は、非行や犯罪に走った家族成員に対する自身の役割アイデンティティの強さによって変容することも確認された。
|