研究課題/領域番号 |
18K03127
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池田 忠義 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (70333763)
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研究分担者 |
松川 春樹 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (00769664)
高橋 真理 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助手 (20751069)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学生相談機関 / 障害学生支援機関 / 連携・協働 / 支援活動 / 体制整備 |
研究実績の概要 |
学生相談機関・部署と障害学生機関・部署の支援活動や連携・協働の実施状況を同じ枠組みを用いて把握することを目的とし,国立大学86校の両機関・部署を対象とした質問紙調査を実施した。質問項目は,各機関・部署において実施した支援活動やそれらに際しての連携・協働の有無等から構成された。その結果,障害学生支援機関・部署の方が幅広い支援活動を行っている半面,スタッフ数が少ないため,十分な内容や頻度で活動が行われていない可能性がうかがわれた。また,連携・協働に関しては,援助活動に比して教育活動やコミュニティ活動は実施率が低く,後者についてはそれぞれの機関・部署で独自の活動を展開していることが明らかになった。 学生相談および障害学生支援の担当者間の連携・協働に関する要因を明らかにするため,国立大学86校の学生相談と障害学生支援の担当者を対象とした質問紙調査を実施した。学生相談と障害学生支援が連携・協働できた要因,学生相談と障害学生支援のより良い連携のために必要なこと,についての自由記述の結果をKJ法に準じた方法で分析した。その結果,両者の連携のために必要なことして,①専門部署としての組織体制整備,②担当者の専門性と相互の役割を明確にした上での連携,③業務内外でのコミュニケーションを通しての意思疎通,があることが明らかになった。また,今後特に重要なこととして,①大学全体の体制整備とスタッフ配置の充実,②担当者の専門性向上と相の積極的関わり,があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学生相談や障害学生支援を担当する部署・機関および担当者を対象として質問紙調査により,支援活動の特徴や担当者間の連携・協働に関連する要因を明らかにした。続いて,これらの結果に基づいて,学生相談と障害学生支援それぞれの担当者を対象としたインタビュー調査を実施する予定であった。しかし,新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け,県をまたいでの移動等が困難になり,本門調査を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
学生相談と障害学生支援それぞれの担当者を対象としたインタビュー調査を実施する予定であり,各機関を訪問しての調査を検討すると同時に,それが難しい場合はビデオ会議システムを用いてオンラインでの調査を実施することも考えていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学生相談機関および障害学生支援機関を訪問し,インタビュー調査を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染拡大の影響により,それらを実施することが困難であった。 次年度は,インタビュー調査について,訪問あるいはビデオ会議システムを用いた方法により行い,その成果を公表する予定である。
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