研究課題/領域番号 |
18K03127
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池田 忠義 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (70333763)
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研究分担者 |
松川 春樹 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (00769664)
高橋 真理 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助手 (20751069)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学生相談 / 障害学生支援 / 連携・協働 / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
学生相談と障害学生支援の連携・協働の実情と課題を明確にすることを目的として,A大学の学生相談及び障害学生支援部署の責任者各1名を対象に半構造化面接によるインタビュー調査を実施した。 調査対象者の所属する組織は,一つのセンターの中に,学生相談,障害学生支援,留学生支援の各部署が設置されているという特徴を持つ。 インタビューの逐語データに基づき,連携・協働の実情と課題のそれぞれについてカテゴリー化した。連携・協働の実情については,個別相談において学生相談部署から障害学生支援部署へのリファーやその後の連携は多いがその逆のリファーは少ないこと,ミーティングについては,室長,常勤職員,全職員という参加者の異なる3種類のものが行われてており,主に運営に関することが話し合われていること,学生相談担当教員の授業に障害学生支援担当教員が参加していること,グループ活動等の予防的働き掛けは各部署独自に行われていることが明らかになった。また,連携・協働に関する課題としては,個々の担当者(カウンセラー,コーディネーター)の支援能力を向上させること,両者の役割や分担を明確にし,特に支援ニーズが明確ではない障害学生への対応についての共通認識を持つこと,事例の理解や対応について組織として共有できる状況や機会を設定すること,専任教員,常勤職員,非常勤職員との間で率直に話し合える関係を作ることが明らかになった。 これらから,学生相談と障害学生支援を担当する部署が一つの組織になったことで個別相談を中心に連携・協働が進んでいるが,それを更に進めるためには両者の役割分担についてより明確にすること,個別相談について個人間・組織間で検討する機会を増やすこと,教員・非教員,常勤・非常勤といった立場を超えて風通しの良い関係を作っていくことが重要であると言える。
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