研究課題/領域番号 |
18K03131
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石垣 琢麿 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70323920)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | うつ病 / メタ認知 / トレーニング / ワークショップ / 研修会 / 臨床研究 / 尺度 / リワーク活動 |
研究実績の概要 |
2019年度は当該科研費(課題番号18K03131)により、「うつ病のメタ認知トレーニング(D-MCT)」の開発者であるレナ・イェリネク教授をドイツ・ハンブルク大学から招へいすることができた(8月)。ワークショップ(MCT-Jネットワーク主催)や講演(第19回日本認知療法・認知行動療法学会主催)を行い、それぞれ100人以上の参加者に対して、D-MCTの基礎から臨床実践までの研修を実施した。また、2020年1月26日には、アドバンスト・コースの研修を30人の参加者に対して実施した(講師:石垣琢麿・森重さとり。東京大学駒場キャンパスにて)。これらの研修では、2018年度に当該科研費によって金子書房より刊行された「うつ病のためのメタ認知トレーニング:解説と実施マニュアル」(ISBN978-4-7608-2181-5)が用いられた。これらの活動によって、D-MCTの実践者と実施(予定)医療機関は明らかに増加した。 研修会中に臨床研究への協力者を募ったところ、現在までに8つの医療機関が協力可能であると返答している(医療法人仁政会杉山病院、医療法人明柳会恩田第2病院、医療法人財団桜花会醍醐病院、医療法人崇徳会こころのクリニックウィズ、医療法人唐虹会虹と海のホスピタル、医療法人三幸会第二北山病院、こころのクリニックOASIS、ココピアワークス鎌倉)。 申請者はこれらの協力機関と調整しながら、倫理審査委員会に提出する研究計画書を作成中である。臨床評価には、ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD17)、ベック抑うつ尺度(BDIⅡ)、非機能的態度尺度(DAS40)、メタ認知尺度(MCQ30)、ローゼンバーグ自尊心尺度(RSE)、WHOQOL尺度、MCT-J参加者満足度評価票などの尺度も用いて、ドイツでの臨床研究との比較ができるようにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染拡大の影響により、研究協力機関においても通常の精神科医療・リワーク活動を十分行うことができていない。特にD-MCTのようにグループで行う活動は延期されていることが多いため、導入が遅れている機関もある。また、被験者となる患者への十分な説明と同意取得が必要だが、その時間が取れない。そのため、進捗状況は「やや遅れている」と考える。
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今後の研究の推進方策 |
各協力機関におけるD-MCTの実践は通常の精神科医療・リワーク活動のなかで提供されるため、実際に導入が始まれば研究自体も速やかに展開できると考える。ただし、COVID-19感染拡大が2020年夏まで続いた場合は、十分な被験者数を集めるために、科研費期間が終了しても研究を継続する可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は、当研究に参加するうつ病の患者(被験者)への謝金、および研究発表と情報収集のための旅費として計画されている。COVID-19の流行が夏以降まで継続した場合、D-MCTの実施開始が遅れるが、謝金分は事前に用意しておき、いつからでも研究を開始できるよう準備する。また、国際的にも国内的にもインターネットを使った会議が増えているため、旅費分をインターネット環境の整備に使用する予定である。
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