本研究は,社会的養護の環境にある子どもたちの心理的な危機状態からの回復と,健全な発達支援に焦点をあて,施設における対応や支援の工夫を検討するものである。最終的には児童福祉施設における包括的な支援モデルの構築を目的としている。2023(令和5)年度に行った研究の成果は以下の通りである。 1.児童福祉施設入所児への切れ目のない「発達支援」アプローチの開発について (1)心理教育プログラムの開発・実施:複数の児童養護施設の協力を得て,子どもへの心理教育プログラムを継続的に実施しているが,2023年度も、Covid-19の影響で、心理教育プログラムの実施が中止になった時期があった。そのため予定していた心理教育プログラムの継続的な実施及びデータ収集がやや遅れ気味となった。それでも,継続的に心理教育を実施してきた施設でのデータをいったんまとめて学会誌に投稿した。 (2)施設心理職へおインタビューによる心理教育プログラムについて:児童福祉施設で心理教育プログラムを実施している心理職への半構造化面接を通して、施設におけるプログラムの意義について検討した論文を大学紀要に掲載した。
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