研究課題/領域番号 |
18K03151
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
松田 与理子 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (50649184)
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研究分担者 |
石川 利江 桜美林大学, 大学院 心理学研究科, 教授 (20222979)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コーチング行動 / コーチングスキル / ポジティブ心理学 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
本年度は、マネジリアル・コーチング教育プログラムの効果指標として、The Coaching Behavior Inventory(CBI)およびMeasurement Model of Coaching Skills(MMCS)の日本語版を作成した。CBIとMMCSは、管理職者のコーチング行動とスキルをそれぞれ測定する尺度である。本研究では、管理職者による自己評価、部下による他者評価の両方を測定できるCBI日本語版とMMCS日本語版を開発した。いずれも英語版原著者の許可を得て日本語版を作成した。Web調査会社に委託し、管理職者、一般社員を対象に2つのWeb調査を実施した。分析の結果、いずれの尺度も因子的妥当性、信頼性、構成概念妥当性が確認された。 第9回 International Congress of Coaching Psychology(London)において、”Development and Validation of the Japanese Version of Coaching Behaviour Inventory.” と題してPosterおよび口頭発表を行い、Best Poster Awardを受賞した。日本のコーチング現状を報告し、同時に欧州を中心とする諸外国のコーチング心理学研究者、コーチング実践者との交流を深めることができた。 ・日本健康心理学会第32回大会では,シンポジウム「ポジティブ心理学コーチングのウェルビーイングへの貢献」で指定討論を行なった。 ・ポジティブ心理学コーチングの実践 (共訳)(金剛出版)の「第10章ポジティブ・リーダーシップのためのポジティブ心理学コーチング」、「第11章発達的転換期におけるコーチング」の翻訳を手掛けた。 ・第23回就労女性健康研究会で「女性の昇進を妨げるUnconscious Bias」 について講演した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度に国際比較を視野に入れた海外尺度を2つ開発し、それらを用いてコーチング志向性のジェンダー差を検証する予定であった。しかし、日本語版開発の対象となった2つの尺度のうち一つにおいて、原版著者の都合によってやりとりに想定以上の時間を要したことから、ジェンダー差の検討は次年度のはじめに実施する予定である。したがって、やや遅れが生じていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、まず2019年度に開発した尺度の再検査信頼性をWeb調査によって検討する。その結果を含めて、尺度開発に関する論文を投稿するとともに、二つの尺度を用いてコーチング志向性のジェンダー差を検証する。 さらに、海外研究協力者、研究分担者とともに介入プログラム案の検討を行う。プログラムの試行は2020年の後半に実施する見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度作成した2つの尺度を用いたジェンダーに関するweb調査を予定していたが、その実施が遅れていること、国外における学会発表の回数が予定よりも少なかったことが主な理由である。
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