研究課題/領域番号 |
18K03151
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
松田 与理子 桜美林大学, 健康福祉学群, 教授 (50649184)
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研究分担者 |
石川 利江 桜美林大学, 大学院 心理学研究科, 教授 (20222979)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コーチング行動 / 従業員レジリエンス / ワーク・エンゲイジメント |
研究実績の概要 |
2020年度に作成した従業員のレジリエンスを測定する尺度(日本語版Employee Resilience Scale:ERS-J)の日本語版について、その信頼性を再検査法を用いて検証するために、Web調査会社に調査を委託し、管理職者、一般社員のそれぞれを対象に、2つのWeb調査を実施した(初回調査から4週間後)。分析の結果、ICC=.59で中等度の信頼性が確認された。本研究の結果を”Development and Validation of the Japanese Version of the Employee Resilience Scale”と題し、第7回 International Positive Psychology Association World Congress(オンライン開催)において発表した。 加えて、従業員レジリエンス、コーチング行動、ワーク・エンゲイジメントを評価指標とし、2日間のコーチング型コミュニケーションスキル研修を実施した。研修前後の値を比較したところ、ワーク・エンゲイジメントに有意な上昇が見られ、従業員レジリエンス、コーチング行動の値にはポジティブな有意傾向が見られた。 今年度は、職場チームや個人のWell-beingを向上するうえで鍵となる諸概念について多数の文献を精読する機会があった。次年度は、それらの知見を活かし、また、従業員レジリエンス向上も視野に入れたコーチング心理学介入の構成要素を明らかにすることを目的とする。そのうえで、短期間で実施できる介入プログラムを開発し、その効果を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度も、COVID-19の影響を受けて、マネジリアル・コーチング教育プログラムの開発に遅れが生じ、また、介入の実施時期を延期する必要が生じた。介入プログラムの開発完成、および介入の実施は、次年度を通して遂行する予定である。一方、パイロットテストでは従業員レジリエンスやワーク・エンゲイジメント向上の可能性が示唆されたことから、全般的にみてやや遅れが生じていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、職場チームの有効性を高めるうえで重要となる心理的安全性の醸成も視野に入れ、マネジリアル・コーチング教育プログラムの内容をさらに精査する予定である。そのうえで、COVID-19の影響が低減することを前提に、マネジリアル・コーチング教育プログラムの開発を完了し、2時間 x6回の介入セッションを実施し、その効果を検証する見込みである。その結果を国内外の学会で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の影響で海外渡航が難しく、対面式の国際学会に参加できなかったこと、および勤労者を対象とした対面式の介入研究の実施が延期となったことから、次年度はこれらの活動を通して助成金を使用する予定である。
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