研究課題/領域番号 |
18K03152
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
岩滿 優美 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
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研究分担者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 描画 / 対称性選好 / 精神症状 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
様々な比率で作成された7種類の図形を呈示し,最もきれいだと思われる任意の位置に,1本の垂直線あるいは水平線を描くという図形分割課題を用いて,統合失調症患者の対称性選好についてこれまで調べてきた。その結果,様々な比率で作成された図形,分割線の方向など,いずれの点から検討しても,統合失調症患者は健常者と比較して対称性を選好する頻度が高いことが明らかになった。統合失調症患者の対称性選好には陰性症状や陽性症状と正の関連が,一方,総合精神病理尺度とは負の関連が認められた(精神医学, 63巻8号)。 アイカメラを用いた研究では、上記の課題を行う際に、アイカメラを装着し、眼球運動を計測した。その結果、統合失調症患者は健常者と比べて、注視間の移動距離が有意に長いことがわかった。さらにデータを収集し、両群の年齢をマッチングさせて比較検討する必要がある。 統合失調症患者と、年齢をマッチングした健常者について、描かれた樹木画の特徴を多項目にわたり定性的に評価,また描画サイズを測定し、比較検討した。その結果,第1軸として統合失調症患者と健常者の樹木画を約8割の精度で分類する軸が見出され,描画位置の偏りやサイズ,樹木の左右といった,用紙と描画のバランスを含む,描画のバランスのよさを反映していることが示唆された。統合失調症患者のPANSSによる分類と描画特徴の関連を検討した。その結果,類型ごとに出現頻度の高い特徴として,それぞれ異なる描画特徴が見出され,それぞれ異なる症状と関連することが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染予防のため、データを十分に収集できなかったため
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今後の研究の推進方策 |
今年度はアイカメラを用いた研究について、健常者のデータを収集し、論文投稿する。また、統合失調症患者を対象に、さらにに可能な限りデータ収集を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大予防のため、特に統合失調症患者を対象とした研究を実施することができなかったため。
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