研究課題/領域番号 |
18K03155
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大月 友 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (20508353)
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研究分担者 |
下田 芳幸 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
国里 愛彦 専修大学, 人間科学部, 教授 (30613856)
石津 憲一郎 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (40530142)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心理的柔軟性 / ACT / バーンアウト / ワークエンゲージメント |
研究実績の概要 |
2021年度(令和3年度)の研究実績は、2020年度(令和2年度)と同様、新型コロナウィルス感染症の感染拡大等による影響を受け、予定変更をすることとなった。当初の予定では、セルフヘルプ型のプログラムの効果検証を予定した。しかし、感染症拡大化でのセルフヘルププログラムとしては、一切対面での支援の必要のない、スマートフォンを利用したアプリ形式での実施が相応しいと考え、その開発に力点を置くこととした。そのため、2020年度(令和2年度)に作成した動画コンテンツをベースに、AIチャットによるプログラムの準備を進めてきた。また、当初の研究計画を変更し、研究期間を さらに1年間延長し、2022年度に効果検証のための介入実践研究を実施することとした。 セルフヘルプ型アプリプログラムは、全14セッションで構成し、1セッションあたり5分から10分程度で取り組める内容とした。2020年度(令和2年度)に作成した動画コンテンツを心理教育として組み込みながら、スマートフォンアプリとして実施可能なエクササイズやメタファーを新たに作成した。アプリ内でセルフモニタリングや心理教育、介入(エクササイズ・メタファー)が完結できるようにして、多忙な対人援助職者が日常の中で視聴しやすくなるように工夫を行った。 また、作成したアプリプログラムの効果を予備的に検証するため、大学生89名を対象に無作為割付比較試験を実施した。その結果、想定された心理的柔軟性の向上への効果が認められず、プログラムの改善が必要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題では、対人援助職者のバーンアウト予防のためのACTプログラムの開発、および、その効果検証を主な目的としていた。2021年度(令和3年度)の当初の計画では、セルフヘルプ型のプログラムの効果検証を予定していた。そのため、研究参加の募集をかけてプログラムの効果検証を試みたものの、対面での実施の難しさや、対象者のITスキルの制約などから、予定していた実験を行うことが困難となった。そこで、ITスキルのあまりない方でも実施可能となるよう、スマートフォンアプリの開発に力点を置いて研究を実施することとしたため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度(令和4年度)作成したセルフヘルプ型アプリプログラムの改良版を用いて、効果検証を実施する予定である。効果検証には当初の計画通 り、シングルケースデザインによる介入実践研究を予定しているため、対人援助職の中でも教師に焦点化してデータ収集を行う予定である。また、2019年度(令和元年度)に実施した調査研究について、追加の調査が望ましいと判断されたため、教師を中心として調査データの収集を進める予定である。 また、今年度は最終年度であるため、これまでの研究成果の発表を順次進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度(令和3年度)は新型コロナウィルス感染症の感染拡大等による国内の状況を鑑み、当初予定していた介入実践研究や研究発表を延期することとした。そのため、それに関連する経費をほとんど使用することがなかったため、次年度使用額が生じている。これに対して、2022年度(令和4年度)は、介入実践研究及び追加の調査研究を実施する予定のため、予定していた使用計画を継続して研究を進めていく。
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