研究課題/領域番号 |
18K03165
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
横田 賀英子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 室長 (00356164)
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研究分担者 |
和智 妙子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 主任研究官 (30415442)
大塚 祐輔 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 主任研究官 (30548037)
平間 一樹 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 研究員 (00778988)
渡邉 和美 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 部付主任研究官 (80356211)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 捜査面接 / 認知面接 |
研究実績の概要 |
まず、高齢群(65~75歳、61人)と非高齢群(25~35歳、66人)において、捜査面接で警察官に望む態度が異なるか否かについて検討した。具体的には、横田ら(2019)で実施した実験後に実験参加者に対して実施した質問票において、警察官の態度を示す52項目について、「あなたが仮に、昨日見た動画の事件目撃者であるとき、警察官はどのような態度であなたに接する必要があると思いますか」との問いに、5件法で回答を求めた。52項目の因子分析の結果、警察官に望む態度として、「二人称的関わり因子」(丁寧な態度や共感的態度)と「三人称的関わり因子」(中立的態度や聴取を効率的に進めようとする態度)の2因子が抽出された。因子得点を比較した結果、「二人称的関わり因子」は非高齢群でより高く、「三人称的関わり因子」は高齢群でより高かった。 次に、インターネット調査により、一般成人(20~70代、1680人)における捜査面接への事前態度を検討した。調査では、4シナリオ(ひったくりの被害者、ひったくりの目撃者、置き引きの被害者、置き引きの目撃者)の一つを提示した上で、回答者がシナリオの事件で警察官の聴取に協力することになったと想定してもらい、聴取に対する事前態度11項目について7件法で回答を求めた。11項目の因子分析の結果、「積極的関与因子」(聴取に積極的に関わろうとする態度)と「消極的関与因子」(必要な範囲でのみ聴取に関わろうとする態度)が抽出された。重回帰分析の結果、「積極的関与因子」と正の方向に有意に関連していた項目は、被害者としての聴取、精神的被害の深刻さの評価、女性回答者、回答者のコミュニケーションスキルのうち自己統制得点と他者受容得点であった。「消極的関与因子」と正の方向に有意に関連していた項目は、目撃者としての聴取、精神的被害の深刻さの評価、負の方向に関連していた項目は他者受容得点であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インターネット調査を実施し、現在も計画通り分析を継続しており、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在分析中のインターネット調査の結果を論文としてまとめ、投稿する。捜査面接における被面接者が、事前態度として面接に主体に関与することを望まない場合に、認知面接への主体的関わりを促す手法について、実験的に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査委託費を当初の見積額よりも低価格に抑えること等ができたため、差額については、次年度に計画している実験費用の一部として活用する。
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