研究課題/領域番号 |
18K03165
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
横田 賀英子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 室長 (00356164)
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研究分担者 |
和智 妙子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 室長 (30415442)
大塚 祐輔 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 主任研究官 (30548037)
平間 一樹 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 研究員 (00778988)
渡邉 和美 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 部長 (80356211)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知面接 / 捜査面接 / 記憶 / 主体的関与 / 目撃者 / 被害者 / 捜査心理学 |
研究実績の概要 |
令和4年度は2つの分析を行った。 協力的な目撃者の場合、自由報告を求めた際に、より積極的に話をしようとするために言葉数が多くなると考えられるが、協力的でない目撃者の場合には相対的に言葉数が少なくなると考えられる。そこで、一つ目の分析では、最初に自由報告を行った際の言葉数(かな文字変換後の文字数)の多寡と、認知面接により得られる正確な情報量との関連を検討した。実験参加者は127名の一般成人であり、交通トラブルの動画視聴後、一週間後に認知面接の手続きを含む面接を受けた。分析では、最初の自由報告の文字数を算出し、中央値以上を言葉数多群 (n = 65)、他を言葉数少群 (n = 62) とした。階層的重回帰分析の結果、男女ともに、高齢群であることが正回答数と負の関連を有していた他、最初の自由報告の言葉数が正回答数と正の関連を有しており、この傾向は男性に比較して女性でより強かった。 二つ目の分析では、インターネットを介した記憶想起の実験を行い、記憶成績と関連する要因を検討した。実験参加者は336名の一般成人であり、インターネット上で動画を視聴後、3日後に動画の内容に関する質問にインターネット上で回答することが求められた。参加者は、認知面接(あり、なしの2群)、グラウンドルール教示(あり、なしの2群)による4群のいずれかに割り当てられた。グラウンドルール教示あり群では、作話をせず、質問の答えが分からない場合は分からない旨答えるよう、画面のテキストを介して伝達された。重回帰分析の結果、認知面接あり、回答者が女性、パソコン入力の熟練度に加えて、主体的関与度の高さが、正想起量と正の関連を有していた。この結果より、今後の研究では、どのような手続きや教示が被面接者の主体性を高めるのか検討する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度に新たにインターネット調査を実施する予定であったが、令和5年度の実施となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度にインターネット調査(2本)を実施し、分析を進める。得られた知見については、学会及び論文で報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度中に、インターネットを介した実験を行う予定であったが、令和5年度に実施がずれ込んだ。
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