研究課題/領域番号 |
18K03166
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
荻野 和雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 研究生 (90762237)
|
研究分担者 |
須山 聡 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (70758581)
大岡 美奈子 東邦大学, 医学部, 助教 (70824069)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ADHD / 発達障害 / 自己理解 / イラスト / アプリ / 学童期 / 子ども / 注意欠如多動症 |
研究実績の概要 |
注意欠如・多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder:ADHD)は、不注意や多動性/衝動性といった症状を有するが、学童期においては症状の自己評価が難しいため、保護者や教師等による他者評価に基づく状態像把握が主体となっている。ADHD児が自身の症状を十分に理解できる環境を整えていくことは子どもの権利や自己決定を尊重する観点から重要であるが、本人の症状理解を促進する標準化されたツールは存在しなかった。H28年度からの科研費若手研究(B)で「学童期の注意欠如多動性障害に対する症状の自己理解促進ツールの作成と有用性の研究」を行い、ADHD症状の自己理解促進ツール「エディとハーディの一日」の作成を行った。 本研究では、先の研究で作成し実行可能性と信頼性が確認された本ツールを、学童期のADHD児に対して広く使用できるように整備することを研究の目標に設定した。 その中で今年度は、WEBアプリケーションの開発に向けシステムエンジニア等と定期的なオンライン会議を行った。意見交換を繰り返し利用しやすいコンテンツについて検討し、結果それらアプリケーションを完成させた。 これらによって、より多くのADHD児の自己理解が促される機会が増える可能性があり、意義は大きいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症が年度を通じて持続し、実際の研究を進めることに遅滞が生じた。一方で、WEBアプリケーションの開発には時間を要したが、完成を見ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後もシステムエンジニア等とオンライン会議を定期的に行い、WEBアプリケーションをモバイルアプリケーションへと展開し、更にはホームページを制作し広く発信していく。 その上で、本アプリケーションが症状の自己理解促進に寄与することや妥当性をもったツールであることについて、研究を進めていく予定である。しかし、現実として新型コロナウイルス感染症の流行が持続すると、本アプリケーションの実運用については十分に実施できない懸念がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行が持続し、研究の遅滞が生じた。そのため最終年度であったが1年の延長を申請し承認された。 また具体的に次年度使用額が生じた理由については、WEBアプリケーションの開発は完成を見たものの、モバイルアプリケーションへの展開には至らなかった。次年度にそれを履行し完成をみる予定である。それに応じてその他費用(前出の開発費用)、それに伴う人件費や物品費が必要となり、またそれらを使用することで研究計画を完成させる。
|