食物をすばやく処理する能力が,片側扁桃体損傷患者を対象として,視覚探索パラダイムで調べられた.複数の非食物刺激(車)の中に食物あるいはキッチンツールをターゲットとして呈示し,ターゲット検出の反応時間を計測した.刺激が損傷半球と健常半球のどちらに入力されるかで明確な違いは示さなかった.この問題をさらに,閾下感情プライミングパラダイムを用いた実験で調べた.食物あるいはモザイクをプライム刺激として閾下呈示し,後続の中性刺激の好き評定への影響を計測した.好き評定の食物とモザイクの差分データについて調べると,刺激が損傷半球に入力された場合健常半球に入力された場合より食物の影響が小さいことが示唆された.
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