研究課題/領域番号 |
18K03179
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
十河 宏行 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90359795)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | electrooculography / eye movement / blink |
研究実績の概要 |
本研究では、眼鏡型眼電図測定装置とビデオ式眼球運動測定装置の同時計測を実現すること不可欠である。本年度は第一に、この同時計測を実現するためのソフトウェア開発を行った。まず、眼鏡型眼電図測定装置の無線接続、計測パラメータ設定、計測の開始と終了、測定値とイベントのタイムスタンプ付き記録を行うプログラミング言語Python用のライブラリを作成した。このライブラリを用いて、リモート式(カメラを被計測者の前面に設置する形式)のビデオ式眼球運動測定装置と同時計測を行うためのプログラムを作成した。次年度はこのプログラムを用いた同時計測実験を開始する予定である。 第二に、ヘッドマウント式(カメラを被計測者の頭部に固定する方式)ビデオ式眼球運動測定装置を導入し、この装置と眼鏡型眼電図測定装置の同時計測を行うための準備に取り組んだ。ヘッドマウント式測定装置はカメラユニットが装着された保護眼鏡状のデバイスを頭部に装着して計測を行うものだが、このデバイスが眼鏡型眼電図測定装置と干渉して適切に装着することが困難であったため、装着が可能となるようにより大型の防護ゴーグルにカメラユニットを移植し、曇り止めのための加工等を行った。さらに、ヘッドマウント式測定装置の計測開始と終了を制御するPythonのプログラムを作成し、眼鏡型眼電図測定装置との同時計測の開始と終了を実現した。しかし、これらの装置間でのタイムスタンプ付きのイベント記録の実装にまだ課題を残している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題以外の業務の負担が予想以上に重かったことと、ヘッドマウント式眼球運動測定装置のデバイスの改造が必要となったことが作業の遅れの主な原因である。また、ヘッドマウント式測定装置に無線計測のオプションが追加されることが発表され、そのオプションを導入ことを検討しているため、ヘッドマウント式測定装置の制御を行うプログラムの開発を保留している点も今後の遅れの原因となりうる。
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今後の研究の推進方策 |
リモート式測定装置と眼鏡型眼電図の同時計測実験を速やかに実施する。実験プログラムは現在最終的な動作確認の状態にあり、夏までに本実験に入ることが出来る見通しである。データ解析のプログラム作成は実験と並行して進め、本年度中に解析を終える予定である。ヘッドマウント式測定装置と眼鏡型眼電図の同時計測については、メーカーよりワイヤレス計測を可能とするオプションが発売されたため、夏までに購入して制御用のプログラム作成を始める。作成に要する時間は現時点では見通しがつかないが、本年度中の同時計測実験開始を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヘッドマウント式測定装置との同時計測実験のために購入したTalk Eye liteはヘッドマウントユニットと計測用PCをケーブルで接続する形式となっており、このケーブルが被計測者の自然な運動の妨げとなりうる。本研究の開始後にメーカーより2019年度に無線計測オプションが発売されるという連絡があったため購入を検討したが、2019年度の交付予定額では不足するため、2018年度から繰り越しを行った。無線計測オプション購入後の残額は謝金および旅費で使い切る予定である。
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