研究課題/領域番号 |
18K03181
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
山下 利之 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (90191288)
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研究分担者 |
山際 勇一郎 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (00230342)
笠松 慶子 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (90296385)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 企業ロゴ / ロゴマーク / ロゴタイプ / ラフ集合分析 / ブール代数分析 |
研究実績の概要 |
近年における急速なクローバル化に応じて,日本企業の企業名の変更,企業ロゴや商品ロゴのロゴタイプのアルファベット表記が急速に進んでいる.しかし,グローバル企業のロゴタイプにおいても,その国,その地域の言語を用いているものも少なくない.また,逆にハラール認証マークのように日本国内で新たに表記を求められているロゴもある.これらのロゴはロゴタイプ,ロゴマークを中心として,それらの形態や色などの属性の組み合わせから構成されているが,ロゴタイプで重要な要因は用いられる言語であり,ロゴマークで重要な要因はグローバルあるいはローカルなデザインであろう. 2018年度の調査研究では,ロゴタイプの言語としてアラビア語(中東地域のロゴ),ハングル語(韓国のロゴ),ロシア語(モンゴルのロゴ),日本語(日本のロゴ),ロゴマークとしてキャラクター性のあるもの(あるいは有機的なロゴ)とキャラクター性のないロゴ(無機的なロゴ)を組み合わせたロゴを刺激として用いて,印象評定調査を実施して,現在分析を進めている.印象データの因子分析結果では,“親しみ・好感”,“伝統・信頼”,“革新・創造”の3因子が抽出され,“親しみ・好感”は言語の種類とキャラクター性のあるロゴマークが影響するなど,各々のイメージ形成におけるロゴの構成要素の組み合わせに関して,ラフ集合やブール代数分析による分析を進めている.研究分担者である笠松慶子先生と研究協力者であるAhmad Eibo氏は中東における研究の準備にDubaiのZeyes Universityを訪問し,山際勇一郎先生は韓国における学会発表の際に韓国の大学における研究の準備を進めた.2019年度は両国において調査,実験を進める予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は研究の推進のための基礎的な調査研究や実験の準備に思った以上の期間を費やした結果,当初予定していたよりも研究計画が進まなかった.しかし,これは2019年度以降の研究を進める上では重要な期間であったと思われる.さらに,研究分担者である笠松慶子先生は中東地域の研究,山際勇一郎先生は韓国における研究の準備を進めており,2019年以降の研究には大いに役立つと思われる.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は,(1)グローバル展開とローカル展開で使用されている企業ロゴ,商品ロゴ,ハラール認証マークなどのロゴの印象評価に関する質問紙調査をさらに進め,(2)分析としては多変量解析に加えて,グローバルとローカルなロゴの構成要素と属性の組み合わせと,それらが喚起させる認知,感情,感性などとの関係をブール代数分析,ラフ集合分析により分析,考察する.(3)地域としては,日本,韓国,中東地域において,調査を行う.また,(4)ロゴの構成要素の組み合わせを実験変数として,単純接触効果に関する実験を行い,比較文化的な考察を進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は,国内と海外における実験と調査研究のための基礎実験や調査及び準備に時間を費やしたために大きな支出をすることがなかった.2019年度は,2018年度の基礎研究をもとにして,(1)グローバル展開とローカル展開で使用されているロゴの印象評価に関する質問紙調査をさらに進め,(2)分析としては多変量解析に加えて,グローバルとローカルなロゴの構成要素と属性の組み合わせと,それらが喚起させる認知,感情,感性などとの関係をブール代数分析,ラフ集合分析により分析,考察する.(3)地域としては,日本,韓国,中東地域において,調査を行う.また,(4)ロゴの構成要素の組み合わせを実験変数として,単純接触効果に関する実験を行うために,2018年度と2019年度の研究費を合わせて使用する予定である.
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