研究課題/領域番号 |
18K03196
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
瀧田 正寿 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40344204)
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研究分担者 |
藤原 清悦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10440322)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オペラント / 遅延交代反応 / T迷図 / 記憶資源 / 前頭前野 |
研究実績の概要 |
【オペラント箱での遅延交代課題】日本クレアから購入したSprague-Dawley系ラットの飼育とオペラント課題のトレーニングは研究代表者と雇用した研究補助1名(16時間15分/週)が担当した。防音箱内において、中央に報酬用の給水ノズルがあり、左右に2ランプ2レバーのあるオペラント箱を用いた。遅延交代課題のトレーニングは、交代反応として、両手を乗せて片手ずつ左右交互にレバーリリースさせ、遅延課題として短い時間を1秒として長い時間を2秒としての2つのタイミングで2課題おきにする(つまり、反応の左右X時間の短調=4課題で1セット。参照: Izaki, Takita, Akema. 2008)。現在、遅延時間が長いと反応時間は短いということを確認して学会発表を行った。引き続き、前頭前野、中間海馬、腹側海馬の両側イボテン酸破壊効果(現在各群n=7―8)を2008年の論文結果と比較する計画で、共同研究者らと協議しながら実験を進めている。【T迷図での遅延交代課題】日本クレアから購入したSprague-Dawley系ラットのT迷図課題のトレーニングは研究代表者が担当した。スタートボックスで待機する遅延時間を変えた基礎行動の計測が終了したので(n=7)、電気生理実験を開始した(n=3)。テレメトリー計測装置の故障や、電極とヘッドステージの間に水が入ったりして、全てが満足行く計測結果となっていないが、共同研究者らと協議しながら1頭分のデータは学会発表予定にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【オペラント箱での遅延交代課題】両手を乗せて片手ずつ左右交互にレバーリリースさせ、遅延課題として短い時間を1秒として長い時間を2秒としての2つのタイミングで2課題おきにするトレーニングは、当初、進捗状況の個体差が大きかったが、週末の土日の動物舎での給水時間の調整によってばらつきが少なくなった。現在、遅延時間が長いと反応時間は短いということを確認して学会発表を行ったが、ノーズポーク実験系との違い(10数秒vs.1-2病)驚かれた。過去のヒト実験で1-4秒の視覚性遅延反応課題の結果と時間的な比較が可能なので、その検討も行っている。【T迷図での遅延交代課題】動物のT迷図上の行動を光電センサーで計測する仕組み、スタートボックス内での行動量を赤外線センサーで計測する仕組み、などのセッティングも行った。
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今後の研究の推進方策 |
【オペラント箱での遅延交代課題】概報(Izaki, Takita, Akema. 2008)との比較を計画してn数を増やしている:前頭前野、中間海馬、腹側海馬の両側イボテン酸破壊効果(現在各群n=7-8)。反応時間の変化なども計画している。【T迷図での遅延交代課題】T迷図での遅延交代課題はエラーが少ないことがよく知られている。そのため、正解時の研究報告しか無い。「エラーが起きた時に、正解時の脳活動はどうなっているのか?」という問いに答えられる様に実験をデザインしているが、どうしてもオーバートレーニング気味に至ってしまう。そこで、トレーニングを2-3日毎に行う工夫を経て、本課題の実施を行うことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
テレメトリー計測器の高額な修理が必要なことが判明していることと、実験補助者の勤務時間増加に伴う人件費のため。
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