研究課題
計算機を用いて特異点を研究するため、計算機代数や代数解析を基にした様々な計算法の導出を行った。また、その計算法を用い具体的な特異点変形を多数行った。本研究では、大きく分けて『対数的ベクトル場関連の研究』、『孤立特異点に付随するBernstein-佐藤多項式とホロノミック系の研究』、『局所環でのパラメータ付き数式処理の研究』を行った。1つ目の研究では、孤立特異点に沿った対数的ベクトル場の計算法を3種類与えている。本研究で対数的ベクトル場の計算を可能にすると共に応用としてregular meromorphic differential formsや特異点の不変量の一つであるブルース・ロバート・ミルナー数の計算にも成功をしている。2つ目の研究では、半擬擬斉次特異点の性質に着目し、その性質を用いた効率的な新たな計算法を導出した。これにより、今まで、計算量の観点から現実的な時間で計算できなかったものが計算できるようになった。また、Bernstein-佐藤多項式の根に付随するホロノミック系の計算法を確立し、特異点変形において同様に計算できるようにした。このとき、非可換環上での包括的グレブナー基底系の計算理論を構成すると共に計算プログラムも開発している。3つ目の研究では、上記の研究を可能にするための基礎となる研究である。「特異点変形において原点で孤立を保つためのパラメータの条件を計算する画期的な方法の確立」、「パラメータ付きスタンダード基底系の計算法の確立」、「有理関数体上でのパラメータ付きスタンダード基底系の計算法の確立」、「混合加群のパラメータ付きスタンダード基底系の計算法の確立」を成し遂げ、特異点の研究に応用をしている。これらの計算法は特異点のみならず多くの分野で役立つ基盤となるものであり多くの分野で役に立つものである。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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