研究実績の概要 |
本研究の最終的な目標は以下の三つである(C を追加)。Γ を距離正則グラフ(DRG)とする。 A. π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) である直径の大きな DRG で、任意の距離 3 の二点 x, y について、直径が 3 の、Classical DRG で、これらを含み、 geodetically closed であるものが存在すれば、Γ は、Classical DRG である。 B. Geometric Girth が 7 以上で、直径の大きな DRG は存在しない。 C. DRG の 被覆および基本群に関する一般論の展開。 A に関し、Classical DRG は、π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) を満たすことは、Q多項式型の性質を用いて、代数的な方法で示されている。幾何的またはグラフ理論的手法でも証明を試み、いくつかの場合には成功した。一般的な場合の証明は、難しいかもしれない。B に関しては、手がかりが得られていない。 本研究計画の土台をなしている、二件の論文は、すでに印刷されているが、この分野では、まったく新しい方向性の結果であるため、注目はされているが、十分理解されてはいない。2019年のSlovenia での国際シンポジウム・その後、同国の他の場所で開かれた、若手研究者の勉強会(サマースクール)での発表や議論から、興味を持ってくれている若手研究者がおり、共同で研究がある程度進展している。国内の研究者または、そのもとにいる大学院生からも質問を受けており、C の整備とまず取り組むのが適切であると思われる。コロナ禍でも、様々なコミュニケーション手段を使って、連絡を取り合っているが、対面で議論することとの差は否めないだけでなく、交流の拡大には困難を覚えている。 距離正則グラフに関する査読でも研究者交流が進んでいる。
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