研究実績の概要 |
本研究の最終的な目標は以下の三つである。Γ を 距離正則グラフ(DRG)とする。 A. π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) である直径の大きな DRG で、任意の距離 3 の二点 x, y について、直径が 3 の、Classical DRG で、これらを含み、 geodetically closed であるものが存在すれば、Γ は、Classical DRG である。 B. DRG の 被覆および基本群に関する一般論の展開。 C. 対応する有効グラフが存在する場合への拡張。 A に関し、Classical DRG は、π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) を満たすことは、Q多項式型の性質を用いて、代数的な方法で示されている。幾何的またはグラフ理論的手法でも証明を試み、いくつかの場合には成功した。B の整備をおこなっているが、同時に、有効グラフが付随する場合との関係にも興味をもち、研究の幅を広げている。一般的に、有効グラフに関しては、基本群は考えられないが、その背後に、距離正則グラフが存在する場合には、関連性が考えられる。また、Girth が大きな距離正則グラフの問題は、弱距離正則有効グラフでも、同じように存在しているため、関連性を考えることは意味がある。コロナ禍で、研究交流の部分が遅滞したが、少しずつ、研究集会が対面でも持たれるようになり、これらの課題に興味を持っている、若手研究者との交流もはじまっている。特に、弱距離正則有効グラフの研究は進んでおり、その Terwilliger 代数およびその表現との関連は、進展が期待できる。実例も GAP などを利用して、豊富になってきている。
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