研究課題/領域番号 |
18K03224
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
中島 幸喜 東京電機大学, 工学部, 教授 (80287440)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 無限小コホモロジー / モノドロミー作用素 / フロベニウス作用素 / 重みフィルトレーション / 狭両立性 |
研究実績の概要 |
前年度までにarxiv http://arxiv.org/abs/1902.00182にLimits of weight filtrations and limits of slope filtrations on infinitesimal cohomologies in mixed characteristics I. (440ページ)として既に公開していた論文の推敲を一年間かかって、完成させ、457ページまで、増補して、15年以上かけて、遂に完成させ、超一流紙に投稿できた。拡充した点は以下の通りである。 (1) 剰余体完全の混標数完備離散付置体の分離有限型の多様体の無限小コホモロジーに対し、この混標数完備離散付置体の絶対不分岐体の反変関手性を持つ標準的なベクトル空間が存在すること。(2) このベクトル空間にはモノドロミー作用素とフロベニウス作用素があること。(3) 多様体が固有であるときには、無限小コホモロジーに重みフィルトレーションを誘導する標準的なフィルトレーションが存在すること。(4) (3)のフィルトーションは反変関手性を持つこと。(4) (4)の反変関手性は固有多様体間の射が誘導する射に対し、推移性を持つこと。(5) (3)の反変関手性を持つフィルトーションは固有多様体間の射が誘導する射に対し、狭両立性を持つこと。(6) このベクトル空間にはフロベニウス作用素があるので、傾きフィルトレーションという概念が定義できるが、体を適切に拡大すれば、幾何的にこの傾きフィルトレーションが計算できること。 これらの証明には無限小コホモロジーを計算するDeligneによる固有超被覆の理論と良い埋め込みシステムの存在(本研究者の仕事)と対数クリスタルコホモロジーを比較する標準的な兵頭加藤同型とガロア降下の理論を使う(兵頭加藤辻の仕事の改善)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べた論文 「Limits of filtrations on infinitesimal cohomologies in mixed characteristics I」 の完成に膨大な労力と膨大な時間が必要であったため。
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今後の研究の推進方策 |
ようやく、長大な仕事が完成できたので、今後本研究の主要な研究テーマである 「対数クリスタルコホモロジーの重みフィルトレーションと積構造との両立性」 に取り掛かりたいと思っている。
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