研究課題/領域番号 |
18K03227
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
松岡 直之 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (80440155)
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研究分担者 |
後藤 四郎 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (50060091)
チャン ティフン 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (00649824)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 擬ゴレンシュタイン環 / 数値半群環 / 定義イデアル / 極小自由分解 / コーエン・マコーレー環 / ゴレンシュタイン環 |
研究実績の概要 |
擬ゴレンシュタイン環論は,コーエン・マコーレー環とゴレンシュタイン環の間に横たわる大きな溝を埋めるための理論として有望な研究対象である。その起源は1次元概ゴレンシュタイン環論にあり,1997年にV. Barucci-R. Froebergが創始し,その後研究代表者と研究分担者 後藤四郎・Tran Thi Phuong により1次元の理論が整備された。その後,後藤四郎・高橋亮・谷口直樹によって高次元の理論へと拡張されている。この概ゴレンシュタイン環の理論を一般化し,コーエン・マコーレー環を階層化することでより明細な解明を推し進めることが,擬ゴレンシュタイン環論の大目標である。一般化の足掛かりとして,研究代表者や研究分担者らによる研究グループは,2-概ゴレンシュタイン環や,一般化ゴレンシュタイン環などを提起している。 概ゴレンシュタイン数値半群環の定義イデアルに関して研究代表者は,後藤四郎・Do Van Kien・Haong Le Truong らとの共同研究により,数値半群の擬フロベニウス数と深い関りがあることを示している。当該年度は,この理論の一般化を目指し,2-概ゴレンシュタイン数値半群環のの定義イデアルと数値半群の擬フロベニウス数にも同種の関りが見られることを明らかにした。この成果は,現在さらなる一般化を目指し継続して検討・改良を進めている段階であり,一般化ゴレンシュタイン数値半群環でも同じことが言えるかどうか,さらに数値半群環に限らずいかなることが言えるかを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度にスペインで開催が予定されていた研究集会が延期となり,2021年度にも開催が見送られた。得られた成果の発表や議論による研究の促進を期待していたが,それが叶わなかった。また,対面開催が期待されていた国内研究集会も軒並みオンライン開催となった。他の研究者との交流の中で見えてくるものはずのものが得られなかったことは非常に大きな痛手であった。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインでの研究集会にはメリットもあるが,一方で議論を深めることができないというデメリットがあるように感じる。現在は国内出張への制限は緩やかになっているため,国内出張や研究者招聘による人的交流を再開する。また,国内外を含むオンライン研究集会にも参加しながら研究動向をつかみつつ,自らの研究との関りに注視しながら研究を進める。 具体的な課題としては,擬ゴレンシュタイン環論の基盤のひとつとするためにも,一般化ゴレンシュタイン数値半群環の定義イデアルと擬フロベニウス数の関りを明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の収束を期待し,用途として考えていた出張が軒並み,研究集会の中止あるいはオンライン開催化によって取りやめになった。 オンライン開催あるいはオンライン参加に必要な機材はほぼ2020年度に用意しているため,他の用途が得られなかった。
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