研究実績の概要 |
(1) 並川健一氏(九州大学),原隆氏(津田塾大学)との共同研究として,基礎体が総虚の場合にGL(n+1)×GL(n)の保型L関数の臨界値を与える周期積分について研究した。昨年度までの石井卓氏(成蹊大学)との共同研究で得たGL(n+1,C)×GL(n,C)の局所ゼータ積分の明示的評価を用いて,周期積分におけるアルキメデス部分の寄与を明示的に決定し,さらに保型L関数の臨界値の整性の定式化について考察した。 (2) 昨年度から引き続き,平野幹氏(愛媛大学),石井卓氏(成蹊大学)との共同研究として,GL(4,R)上の緩増加Whittaker関数の明示式とその局所ゼータ積分への応用について研究した。GL(4,R)のすべての既約一般主系列表現に対して, その極小Kタイプにおける緩増加Whittaker関数の明示公式を与え,それを用いて実素点におけるBump-Friedberg型の局所ゼータ積分と局所L因子が一致する「テストベクトル」を具体的に得た.さらに,それらのテストベクトルが定義する局所ゼータ積分について,局所関数等式を得た。
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