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2019 年度 実施状況報告書

低次元多様体の基本群の高次表現と幾何構造

研究課題

研究課題/領域番号 18K03266
研究機関北見工業大学

研究代表者

蒲谷 祐一  北見工業大学, 工学部, 准教授 (70551703)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード低次元多様体 / 高次タイヒミュラー空間 / 幾何構造 / 双曲幾何学
研究実績の概要

本研究は2次元の曲面や3次元多様体を幾何構造の観点から研究することを目的とする。幾何構造は多様体の基本群の線型表現と密接に関連する。従来は2次元表現(SL(2,R) と SL(2,C) への表現)がよく調べられていて今でも重要な研究対象であるが,一方で高次の表現の研究が活発に行われるようになっている。昨年度は,1点穴あきトーラスと開区間との直積でできる3次元多様体を8面体に分割することで,基本群のSL(2,C)表現の変形空間を理想双曲8面体の変形空間と関連づけた。2019年度はこの8面体分割から自然に構成される1点穴あきトーラス上の複素射影構造を見ることで,展開写像が単射でない擬フックス群をホロノミーにもつ複素射影構造がどのように得られるか,特にそれが一度離散表現を離れて再び離散表現に至る過程が可視化できるようになった。
研究発表として,10月18日から20日に大阪市立大で行われた「トポロジーとコンピュータ 2019」で講演を行った("Visualizing deformations of complex projective structures")。また1月11日から13日に京都産業大学むすびわざ館で行われた「リーマン面・不連続群論研究集会」で講演した("Deformation of ideal octahedra and complex projective structures on the once-punctured torus")。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「研究実績の概要」で,理想双曲8面体分割を用いて1点穴あきトーラス上の複素射影構造を自然に構成して,付随するSL(2,C)表現が,一度離散表現を離れて再び離散表現に至る過程が可視化できたが,どの段階で離散的でなくなるかといった量的な評価を得られなかった,という点で不満が残った。

今後の研究の推進方策

一般に3次元多様体の理想4面体分割を用いて基本群の高次表現を調べる方法がすでにいくつかあるが,その方向へ研究を推進して行く。2020年度は現在の状況を鑑みると対面で研究集会に参加したり研究発表を行うのは困難であるが,オンラインでの活動をしていきたい。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたよりも出張が少なかったため。引き続き旅費として使用する予定だが,COVID-19 の影響が続く場合は,オンラインでの研究集会の参加や企画のために謝金や物品費に使用することも考慮する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] Deformation of ideal octahedra and complex projective structures on the once-punctured torus2020

    • 著者名/発表者名
      蒲谷祐一
    • 学会等名
      「リーマン面・不連続群論」研究集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Visualizing deformations of complex projective structures2019

    • 著者名/発表者名
      蒲谷祐一
    • 学会等名
      トポロジーとコンピュータ2019
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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