研究課題
本研究課題の目的は,指定された有限群 G と滑らかな多様体 N に対し,N 上の滑らかなG-作用を多様に構成する統一的な構成理論を開発することである.具体的には:(1) N 上のG-作用を一つ固定し,そのG-多様体を Y とする.枠付きG-写像 f : X → Y とそれらの間の同変コボルディズム F_N : W_M → I x Y, M ∈A, のなす擬逆極限系で同変手術が適用できるものを構成する.ここで A は G の部分群のなすある集合である.(2) それに同変手術理論を適用し,f : X → Y の X をYと微分同相なものに変形し,指定された多様体 M 上の多様なG-作用を構成する.(3) 応用として,変換群論の未解決問題を解決する.令和3年度までの研究で,(2)を実行するのに有効な同変コボルディズム擬極限系の構成方法の基本アイデアを得た.令和4年度の研究ではそれに改良を加え研究 (3)を行った.実際には6次交代群のB-freeな滑らかな one-fixed-point actions をもつ球面 S の次元を研究し,単位群 E で weak gap condition を満たすものについて,S の次元の必要十分条件を決定した.ここで B は A に属さない部分群の全体である.また X 上の one-fixed-point action とは,X のG-不動点集合 X^G が唯一点からなることを意味し,それが B-free であるとは X^L = X^G(L は B に属する部分群を渡る)を満たすことを意味する.さらにG-多様体 X が単位群 E で weak gap condition を満たすとは,2 dim X^H ≦ dim X (H は G の部分群で E とは異なるものを渡る)を満たすことを意味する.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Osaka Journal of Mathematics
巻: vol.60, no.2 ページ: 377--383
巻: vol.60, no.3 ページ: --