研究実績の概要 |
本年度は, 昨年度に引き続き, symphonic maps に対する Bochner formula についての研究を行った. 「symphonic maps に関するエネルギー密度(の二乗)」を, 「計量の pullback のノルム(の二乗)」ととらえずに, 「symphonic maps の定義方程式の divergence 内のテンソル sigma と 写像の微分との内積」と見なすという観点で計算を行ってみた. これにより, 係数の節約がある程度できたが, もう少しアイデアが必要と思われる. やはり, 計量の pullback という特性を用いた何らかの工夫がないと議論を進めることができない. 一方, C-stationary maps については, source manifolds および target manifolds が rotationally symmetric な場合について計算を行ってみた. 定義方程式が常微分方程式になるなど, 考察対象が単純化されたが, その常微分方程式も, これまで研究が行われていない形の方程式であり, この方程式自体をくわしく調べる必要がある. 以上のような状況により, 今年度は, 発表できる結果はまだ得られていないが, 議論は大きく進んでいる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は, 発表する結果にまでは至っていないが, 議論自体が大きく進んでいるので, 総合的には, おおむね順調に進展している.
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費を計上していたが, 「新型コロナウイルス」の御時世で, 全く使用する機会がなかったため, 次年度使用額が生じた. 次年度使用額については, 書籍など研究に必要な備品に使用する予定である.
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