研究実績の概要 |
今回この研究はコロナウイルス感染症(Covid-19)の影響により2年間の延長期間を伴いの最終年度が2023年になった. 我々の研究も当初の目的を達し,その主結果のさらなる応用という方向で進めた.可縮リーマン多様体X上に離散群Γが等長変換として自由かつ固有不連続に作用するとき,コンパクト非球形リーマン商多様体X/Γが得られる.この研究目的は,大きな対称性をもつリー群Gの可微分作用がX上に存在するときに閉非球形リーマン多様体X/Γの幾何構造を調べることであった.変換群の観点から商空間X/Γよりも可縮空間Xへの群作用を調べることによりX/Γを特徴づけた.GのLevi分解を通して,X/Γは可解多様体R/ΔをファイバーとするSeifert fiberingの構造を持つことを示した.Topologyの観点から群拡大: 1→Δ→Γ→ Q→ 1を持つ.これに付随して,fibering: R→X→ Wができ,X/Γと同じ性質を持つ底空間W/Qが得られるため, 結果として軌道束の繰り返しによるインフラ可解タワーが得られる.過去の報告でも述べたが,この構造定理を使って具体的な多様体の構造を特徴づけた.特にn(>2)次元 homotopy torusが可解タワーの繰り返しにより1点に終わるとき,標準torusに微分同相になる. 定理. 可縮な可微分空間X上に離散群Γが可微分properly discontinuously (固有不連続)に作用し, X/Γはコンパクトとする. 与えられたコンパクト群KがXに可微分かつ忠実に作用しているとき, もしΓの作用がKの作用を正規化(normalize)するならば,Kは自明である.系. X/Γはコンパクトであるような可縮なRiemann多様体Xに対し,等長群Iso(X)は非自明なコンパクト正規部分群を持たない.
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