研究課題/領域番号 |
18K03288
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
藤田 玄 日本女子大学, 理学部, 准教授 (50512159)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Dirac作用素 / 同変指数の局所化 / KK理論 |
研究実績の概要 |
今年度は昨年度得られたトーラス作用の軌道に沿ったDirac作用素の摂動のKKペアリングとしての記述の応用を模索したが、残念ながら同変指数の同境不変性や消滅定理以外の応用は得ることはできていない。 この問題について、KK理論を用いた指数理論を専門とする窪田陽介氏および髙田土満氏と意見交換を行った。特に、髙田氏から、摂動項のKK類の性質について考えるべき問題の方向性を提示していただいた。一つめは、摂動項のKK類の局所化である。これが示されれば、摂動による同変指数の局所化現象が極めて自然に理解できることになる。二つめは摂動項のKK類の位相的表示である。これが得られると、摂動による同変指数の位相的表示が得られ、ある種の指数定理(解析的指数=位相的指数)がペアリングにより得られることになる。 また、今年度はセミナーや研究集会での研究発表や出張を伴う対面での議論の機会がコロナ禍以前と同様にできるようになったことが大きな収穫であった。特に、トーリック多様体に関するGromov-Hausdorff収束の共同研究について、Delzant多面体の収束はHaussdorf収束でなくHesse計量に関するGromov-Haussdorff収束を考える方が自然であろうという重要な知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
KKペアリングによる表示の新しい応用を見出すに至らなかった。一方で、当初の予定にはなかったトーリック多様体のGromov-Hausdorff収束の研究については、共同研究者との議論により新たな知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
KKペアリングによる表示の応用を模索すると同時に、摂動項のKK類の性質についてLoizides-Rodsphon-Songによる先行研究を参考にして考察する。並行してトーリック多様体のGromov-Hausdorff収束の理論もより精密なものにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
様々な研究集会やセミナーに赴き講演したが、手厚い旅費のサポートを受けることができたため、旅費の支出が抑えられた。次年度は自らの研究費を使用しての出張の機会を増やす。
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