研究課題/領域番号 |
18K03290
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
正宗 淳 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50706538)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ラプラシアン / 本質的自己共役性 / リュービル性 |
研究実績の概要 |
多様体は完備ならば,その上で定義されているラプラシアンは本質的自己共役であり,さらに,L2リュービル性が成立することが古くからよく知られている.同様の結果がグラフに対しても内在的距離を用いることで成立することが近年明らかにされた.
一方,一般の非完備の場合は本質的自己共役性については幾らかの結果が知られているのに対して,L2リュービル性についてはほとんど何も知られていなかった.
本研究では,一見関係がないように思えるこれらの性質の間の関係を抽象的なレベルで明らかにし,さらに,より具体的な理解として,幾何学的側面の理論を深化させた.特に興味深いのは前者は局所型作用素に関連する確率過程のヒッティング確率で特徴付けられる,すなわち(ある程度は)「局所的な」性質として考えられるのに対して,後者は調和関数に関する性質,すなわち「大局的な」性質だという点である.この結果は,Bobo Hua, Jun Masamune, Radosław K. Wojciechowskiの共著論文としてJournal of Fourier Analysis and Applicationsから出版される予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予想していた結果を得ることができ,出版に至った.また,そこから新たな現象を発見して,研究が進化している.
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今後の研究の推進方策 |
本質的自己共役性のさらなる研究及びL2リュービル性の幾何学的解釈の研究を深める.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため計画していた国際研究集会が開催できなかった,また,出張ができなかった.コロナ禍の状況をみながら,可能な限り計画通りに実行していく.
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