階数が2以上の非コンパクト半単純リー群の格子は種々の剛性を示す.しかし,それらの証明においては,非コンパクト単純リー群の分類を用いた場合分けを行うことがしばしばであった.本研究は,その種の定理に対し統一的な証明を与えることを目的とした.とくに松島の消滅定理の別証明を得た.葉層構造の接方向には調和積分論を,法方向に対してはエルゴード理論を適用するのが,証明の基本方針である. その他にトンプソン群 F に関する考察を行った.とくに,トンプソン群の自己同型群に関する Brin 達との結果と Mostow の剛性定理の類似性を認識するとともに,F が作用する無限次元空間を発見した.
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