研究課題/領域番号 |
18K03295
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
山口 耕平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 名誉教授 (00175655)
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研究分担者 |
Guest Martin 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10295470)
山田 裕一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30303019)
島川 和久 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (70109081) [辞退]
大野 真裕 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70277820)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トーリック多様体 / 正則写像 / 代数的ループ / 手術 / 代数幾何学 / レンズ空間 / ベクトル束 / ホモトピー型 |
研究実績の概要 |
(1) トーリック多様体X上の代数的ループ(多項式で表現できる1次元球面からXへの滑らかな写像)についてAtiyah-Jones型定理が成り立つことを, A. Kozlowski氏(ワルシャワ大学教授)との共同研究により証明した。(論文も本年度に投稿した) (2) 2019年度に引き続き、トーリック多様体Xに関連する集結式(rsolutant)から定義されるnon-resultantの空間について、Atiyah-Jones予想が成り立つか検証した。とくに、Xがある種の扇(fan)の条件を満たす場合には, Atiyah-Jones型の結果が成り立つことがA. Kozlowski氏(ワルシャワ大学教授)との共同研究により証明できた。 (現在、論文準備中である) (3) (2)に関連した研究は、元々は、1980年台に、G.Segal教授(Oxford大学)によって精力的に研究されてきた無限次元空間を本質的に重要な有限次元部分空間でそのホモトピー型を決定できるかを調べる研究に由来している。これらの研究は古典的であると言われているが、いまだに多くの不明な箇所が存在する。これらをよりわかりやすい形で定式化することとその一般化を行うことを目標としてきた。さらには有限次元部分空間の有限次元ループ空間版と関連するホモロジー安定性を検証することも行なった。 (4) 例外的デーン手術(Dehn surgery)としてレンズ空間を生じる結び目のうち、散発的と呼ばれる希少種の結び目がすべてディバイド曲線表示されることを示す論文が、査読者の 助言に基づく最終段階の推敲を経て出版に至った。 (5) 複素2次曲面上の第1チャーン類が(2,2)のネフなベクトル束の分類し、その結果を論文にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の通り、昨年度から準備していた論文が完成し投稿する事ができた。さらに、トーリック多様体上の有理曲線のなす空間の結果の拡張してその空間に関連する終結式に関連する空間への拡張が、A. Kozlowski教授(ワルシャワ大学)との共同研究で論文準備の段階になった。以上の理由で、「研究は概ね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
トーリック多様体に関連して定義される終結式(resultant)に関連したnon-resultantな空間に対して、Atiyah-Jones型の定理の証明が佳境に入ってきた。まずは、この結果の論文完成が本年度の第1の課題である。これらの結果には、1980年台にSegalによって開発された無限次元ループ空間の手法とArnoldによる実特異点論の手法がキーになっている。これらの手法にはまだ解明されていない謎が多く存在する。その謎を明確に定式化sることを第2の目標としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19が蔓延したため、研究集会が全てキャンセルになり、さらに研究連絡や研究発表による出張が全く行えなかった。 その結果、予定していた研究責任者と研究分担者の出張旅費の支出はゼロになった。さらに、新規M1チップの高速ノートPC(MacBookPro)の小型版は発売されたが大型版は、2021年度に発売予定になってしまったためその購入を、2021年度まで待つことにした。その結果、本年度の使用額が大幅に減ってしまった。2021年度には、研究連絡と学会の研究集会での発表のための出張旅費に2020年度旅費を利用し、さらに、新規発売予定の大型のM1チップ搭載ノートPCの購入を行う計画である。
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