研究課題
基盤研究(C)
曲面の擬アノソフ写像類の2つの不変量(エントロピーや曲線複体に関する漸近的移動距離)に関する研究を主に行なった.(1) 正規エントロピーが小さい擬アノソフ組ひもの無限列の構成方を与え, それを用いて写像類群の部分群(あるいは特徴的な部分集合)の無限族に対し擬アノソフの最小エントロピーの漸近的挙動を決定した.(2) 固定された3次元双曲ファイバー多様体Mとそのファイバー面についてに対して, Mの擬アノソフモノドロミー全体の曲線複体に関する漸近的移動距離の上からの評価を与えた.
位相幾何学
曲面の写像類群の大部分は擬アノソフ写像類である. 擬アノソフ写像類の研究は力学系理論, 3次元多様体論, 双曲幾何学などのいくつかの分野と密接に関連する. 擬アノソフ写像類の代表的な不変量(エントロピー, 漸近的移動距離, 写像トーラスの体積)とこれらの不変量の関係の研究は位相幾何学(特に写像類群の研究)において基本的なテーマであり, それ故に学術的意義がある.