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2018 年度 実施状況報告書

同変トポロジーによる有限群の幾何学的表現の構成

研究課題

研究課題/領域番号 18K03304
研究機関九州大学

研究代表者

鍛冶 静雄  九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (00509656)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード同変トポロジー / ワイル群 / 旗多様体
研究実績の概要

トーラスなどの良い群作用を持つ空間のトポロジーは、しばしば離散的対象を用いて記述できる。例えば、旗多様体はワイル群や対称多項式、トーリック多様体は多面体や単体複体を用いて、多くの構造が明らかにされてきた。また逆に、組み合わせ論の問題が、これらの対応を通して空間レベルに持ち上げられることで、トポロジーを用いて解決される例も多い。このように同変トポロジーの一つの側面として、トポロジーと他の分野を繋げ、様々な道具立てを使って空間の構造を調べること、逆に空間のトポロジーに帰着することで、他分野の問題を解決することが挙げられる。本課題では、旗多様体と実トーリック多様体を、対応するワイル群や単体複体と関連づけて調べることが主な目的である。ホモトピー論の手法を用いて、組合せ論の道具を空間へ持ち上げて適用する手段の開発を目指す。
本年度は、旗多様体の懸垂空間を、簡単な空間の一点和へホモトピーの意味で分解することを考察した。そのために、ワイル群の群環における idempotent と unstable Adams operation をホモトピー型のレベルに持ち上げて融合するという手法を用いた。得られた結果の応用として、旗多様体から自分自身への写像全体のなすホモトピー集合を計算する方法を与え、いくつかの具体例について決定した。この成果は論文で発表した。またワイル群の群環における計算を行うコンピュータープログラムを開発し、誰もが利用できるよう公開した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

以前は旗多様体上のループ空間を、ホモトピーの意味で簡単な空間の直積に分解する手法を考察したが、本年度の研究は、それと双対をなし、旗多様体上の懸垂空間のウェッジ和への分解を与えた。これらの結果を合わせ、旗多様体のホモトピー型に関する理解が進んだ。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、ワイル群に付随する実トーリック多様体のコホモロジーを考察する。これまでに、A型B型の場合には、ワイル群の表現として有理コホモロジーを決定しているが、続けて環構造を考察する。コホモロジーはワイル群に付随する単体複体の組合せ論を反映し、オイラーのジグザグ数列と呼ばれる対象で添え字づけられるため、トポロジーから定まるコホモロジーの環構造は、これらの数列の間の積構造となり、組合せ論の立場からも興味深い。

次年度使用額が生じた理由

海外から共同研究者を長期で招聘する予定であったが、ビザ取得の問題で日程が大幅に変更された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] University of Southampton(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Southampton
  • [国際共同研究] Ajou University(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      Ajou University
  • [国際共同研究] University of Ibadan(ナイジェリア)

    • 国名
      ナイジェリア
    • 外国機関名
      University of Ibadan
  • [雑誌論文] Suspension Splittings and Self-maps of Flag Manifolds2019

    • 著者名/発表者名
      Kaji Shizuo、Theriault Stephen
    • 雑誌名

      Acta Mathematica Sinica, English Series

      巻: 35 ページ: 445~462

    • DOI

      10.1007/s10114-019-8051-z

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 同変ループ積について2018

    • 著者名/発表者名
      鍛冶静雄
    • 学会等名
      日本数学会2018年度秋季総合分科会
    • 招待講演
  • [備考] Shizuo KAJI's homepage

    • URL

      http://www.skaji.org/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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