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2022 年度 実施状況報告書

正則曲線を通じた幾何構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K03313
研究機関立教大学

研究代表者

西納 武男  立教大学, 理学部, 准教授 (50420394)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード変形理論 / 代数曲線
研究実績の概要

代数曲面上の特異曲線の幾何種数を保つ変形(equigeneric deformation)は, Severi多様体の既約性の問題との関わりなどから長年研究されているが, 結果が得られているのはFano曲面の場合とCalabi-Yau曲面の場合に限られており, より一般の曲面に対してはほとんど知られていることがない。困難な点は, 変形の障害となるコホモロジーの空間が大きく, モジュライ理論やlog幾何といった, 変形を解析する上で一般的に有効とされる手法が適用できない点にある。今年度は, Severi-Kodaira-Spencerによるsemiregularityおよび, 変形の障害の詳しい解析により, 任意の滑らかな代数曲面上の特異曲線について, equigeneric deformationが存在するための十分条件を得た。具体的には, 曲線を変形していくとほとんどの場合消滅しない障害が現れ, それ以上の変形が許されなくなってしまうのだが, 特異点の局所的な変形の自由度を詳しく解析することにより, ある条件が満たされる場合には, 障害が生じた場合は低次の変形にさかのぼって変形を修正し, 障害が消えるような変形を構成し直すという操作を繰り返すことにより, 最終的に変形が構成できることを示した。曲線の特異点が2次特異点の場合は必要十分条件となっている。また, 一般の特異点の場合は計算機を用いた実験により, ほとんどの場合に, 求められた十分条件はコホモロジー的な条件によって判定できることを見た。この場合は, 特異点の変形の次元が障害の次元を超えていれば満たされるという意味でoptimalな条件になっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目論見通りに研究を進め, 論文を完成できた。

今後の研究の推進方策

2023年度は, これまで行ってきた代数曲面上の研究を, 高次元の場合に拡張する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2022年度の出張の予定をオンラインでの参加にしたため残額が生じた。残額は2023年度の旅費及び物品費に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Integration of vector fields on cell complexes and Morse theory2023

    • 著者名/発表者名
      Takeo Nishinou
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Analysis and Applications

      巻: 522 ページ: 20pages

    • DOI

      10.1016/j.jmaa.2022.126982

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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