研究実績の概要 |
2018年にIorgov, Gavrylenko, Lisovyy により藤・鈴木・津田系のタウ関数が共形場理論から導出されたが、一般化超幾何関数の 0 と無限遠点における基本解に対する接続行列の周期性が効果的に用いられていた。一般化超幾何関数には、0 と 1 と無限遠点の三個の特異点があり、0 と無限遠点における基本解に対する接続行列が三角関数の積で表示されるということが知られていた。0 と 1 における基本解に対する接続行列も三角関数の積で表示されることが期待される。そこで、松平湧也氏との共同研究で、 0 と 1 における基本解に対する接続行列が三角関数の積で表示されることを証明した。我々は、既知の 0 と無限遠点における基本解の積分表示および接続公式を解析接続することで上記の結果を得た。三角関数の積で接続行列が表示されることから、その周期性を容易に見ることができる。
2017年に神保・名古屋・坂井によって得られた第六 q パンルヴェ方程式のタウ関数を5次元ネクラソフ関数のフーリエ変換で表示するという結果を拡張して、第六 q パンルヴェ方程式の一般化である q 藤・鈴木・津田系のタウ関数を5次元ネクラソフ関数のフーリエ変換で表示するという結果を高階の q 差分線形方程式のモノドロミー保存変形の基本解を特殊化した5次元ネクラソフ関数のフーリエ変換で構成することで得た。Lax 形式を利用することで、5次元ネクラソフ関数で表示されたタウ関数に対する行列式公式も得た。
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