研究課題/領域番号 |
18K03326
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
名古屋 創 金沢大学, 数物科学系, 教授 (80447367)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Virasoro algebra / super Virasoro algebra / irregular Verma module |
研究実績の概要 |
第2、3、4、5パンルヴェ方程式のタウ関数に対する不確定特異点(無限遠点)における級数展開表示が Virasoro 代数の不確定特異点型共形ブロックのフーリエ変換で表されるという予想が提出されている。確定特異点におけるタウ関数の級数展開については、共形ブロックによるフーリエ変換で表されるという事実が、super Virasoro 代数の表現論を利用して示されている。そこで、super Virasoro 代数の irregular Verma module を定義し、その上の不確定頂点作用素を適切に定義することに成功した。すなわち、定義された不確定頂点作用素が一意的に存在することを示した。
パンルヴェ方程式のタウ関数が共形ブロックのフーリエ変換で表されることを証明するには、super Virasoro 代数と fermion 代数の直和に部分代数として、2つの Virasoro 代数の直和が含まれることから、super Virasoro 代数と fermion 代数の直和の Verma module が2つの Virasoro 代数の Verma module の無限和に分解するということが鍵となる。super Virasoro 代数と fermion 代数の直和に対する irregular Verma module が2つの Virasoro 代数の irregular Verma module の無限和になることを示すことに成功した。
super Virasoro 代数の確定特異点型頂点作用素と不確定特異点型作用素が合流操作によって結びついているかも重要な問題である。確定特異点型頂点作用素の合成が合流操作で発散しなければ、合流操作後に得られる作用素は導入された不確定特異点型頂点作用素に一致することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
super Virasoro 代数の irregular Verma module と不確定特異点型頂点作用素に対する研究は進展したが、パンルヴェ方程式のタウ関数が不確定特異点型共形ブロックのフーリエ変換で表示できるという予想がまだ証明できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
導入した super Virasoro 代数のirregular Verma module と不確定特異点型頂点作用素を用いてパンルヴェ方程式のタウ関数が不確定特異点型共形ブロックのフーリエ変換で表示できるという予想を証明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、予定していた出張がすべてキャンセルとなり旅費を使用しなかったので次年度使用額が生じた。コロナ禍が収束したあとに出張を再開する。
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