研究課題
前年度までに、q-Fuji-Suzuki-Tsuda 系のタウ関数を q-Nekrasov 関数のフーリエ変換で表示し、タウ関数に対する行列式公式を示した。ただし、級数の収束性は仮定している。また、super Virasoro 代数の irregular Verma module を定義し、その上の不確定頂点作用素を適切に定義することに成功した。すなわち、定義された不確定頂点作用素が一意的に存在することを示した。さらに、super Virasoro algebra (NSR algebra) のirregular Verma module の2通りの自由場表示を構成することで、super Virasoro 代数と fermion 代数の直和に対する irregular Verma module が2つの Virasoro 代数の irregular Verma module の無限和になることを示すことに成功した。最終年度は導入した super Virasoro 代数のirregular Verma module と不確定特異点型頂点作用素を用いてパンルヴェ方程式のタウ関数が不確定特異点型共形ブロックのフーリエ変換で表示できるという予想を証明することを目指して、super Virasoro 代数のランク1不確定特異点型頂点作用素が Virasoro 代数の不確定特異点型頂点作用素の無限和に分解することの証明に取り組み、確定特異点型の場合の無限和分解の退化操作を取ることで証明が完成するという手がかりを得た。今後は、ランク1の場合に不確定特異点型頂点作用素の無限和分解の証明を完成させ、他の場合の証明に取り組んでいく。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
Symmetry, Integrability and Geometry: Methods and Applications
巻: 17 ページ: -
10.3842/SIGMA.2021.050
Funkcialaj Ekvacioj
巻: 64 ページ: 323~348
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