Bidaut-Veron氏とVivier氏は,滑らかな有界領域においてLane-Emden方程式の正値解に対する両側評価を与えたが,0-Dirichlet境界値をもつ正値解に対しては下からの評価が無意味なものであり,証明方法も積分核の具体的表示を用いた弱L1理論に基づくものであったためLipschitz領域の場合に適用することができなかった.本研究では,ポテンシャル論の結果・方法を駆使して境界Harnack原理を確立し,先行研究の不備を補完するだけでなく,新たな証明方法を構築することができた.また,解表示を有さないので,増大度と特異点集合のサイズの関係を明らかにすることも意義のあることである.
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