研究実績の概要 |
研究代表者・伊藤は連携研究者・野海正俊(神戸大学)と楕円超幾何関数に付随する「補間関数」について研究した。その応用として、BC型楕円超幾何関数についてのロンスキー型行列式が楕円ガンマ関数の積で具体的に表示できることを示した。その公式についての論文が雑誌 Journal of Mathematical Physics から出版された。 また、伊藤は昨年度得たG2型楕円超幾何積分についての成果を2回の国際ワークショップ「Elliptic integrable systems, special functions and quantum field theory (NORDITA, Stockholm)」と「15th International Symposium on Orthogonal Polynomials, Special Functions and Applications, 2019 (Hagenberg, Austria)」にて発表した。また、オーストラリア・メルボルン大・数理統計学科の Random Matrix Theory Seminar でも解説を行った。伊藤と野海は昨年度得た5パラメータのG2型楕円超幾何積分の無限積表示を拡張するために、6パラメータのG2型楕円超幾何積分の性質を調べた。その結果、6パラメータのG2型楕円超幾何積分が満たすq差分方程式を具体的に表示することができた。このG2型楕円超幾何積分の1つのパラメータを特殊化することで、昨年度得た5パラメータの結果に於いても別証明が得られる。以上の成果を、神戸大学で行われた研究集会「q,q&q」で発表した。この成果は2020年度日本数学会年会(於:日本大学)「無限可積分系セッション」のアブストラクト集に於いても「6パラメータのG2型楕円超幾何積分が満たすq差分方程式系について」として記録されている。
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